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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防総省(DOD)
- 元記事公開日:
- 2020/02/24
- 抄訳記事公開日:
- 2020/05/21
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DODが人工知能倫理原則を採択
- 本文:
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2020年2月24日付の米国国防総省(DOD)による標記発表の概要は以下のとおりである。
DODはこのほど、昨年10月に国防イノベーション委員会が国防長官あてに提出した提言に沿って、人工知能(AI)の使用に関する一連の倫理原則を正式に採択した。この提言は産業界、政府、学界、米国民における主要なAI専門家との15か月間に及ぶ協議の結果である。
AI倫理原則の採択は、AIの倫理とAIシステムの合法的な使用における米国の軍事的リードを方向づける DOD のAI戦略目標と一致している。
これらの原則は、信頼できるAI技術を推進するためのトランプ政権の継続的な取り組みと密接に連携している。トランプ大統領は昨年、AIのリーダーシップに関する米国の国家戦略である「米国 AI イニシアティブ」を立ち上げた。これは、市民の自由、プライバシー、アメリカの価値を保護しながら、AIの革新的な使用を促進するものである。
DODのAI倫理原則は、米国憲法等に基づいた米軍の既存の倫理枠組に基づいて構築される。既存の枠組は、倫理的行動に対して技術的に中立で永続的な基盤を提供しているが、AIを使用すると、新しい倫理的曖昧性とリスクが生じる。上記原則はこれらの新しい課題に対処し、DODによるAIの責任ある使用を確保するものである。
上記原則は、戦闘機能と非戦闘機能の両方に適用され、AI分野における米軍の法的、倫理的、政策的取り組みの維持を支援する。DODのAI倫理原則は、次の5つの主要領域をカバーする。
- 責任
DOD職員は、AI機能の開発、展開、使用に責任を持ちながら、適切なレベルの判断と注意を行使する。 - 公平性
DODは、AI機能の意図しないバイアスを最小限に抑えるべく、慎重な措置を講じる。 - 追跡可能性
DODのAI機能は、関係する職員が、透明で監査可能な方法論、データソース、設計手順、文書化など、AI機能に適用可能な技術、開発プロセス、運用方法を適切に把握できるように開発・展開される。 - 信頼性
DODのAI機能には、明確で十分に定義された用途があり、そのような機能の安全性、セキュリティ、有効性は、そのライフサイクル全体にわたって定められた用途内で、試験や保証の対象となる。 - ガバナンス
DODが考案・設計するAI機能は、意図した機能を果たす一方で、意図しない結果を検出・回避する機能、および意図しない動作を示す展開済みシステムを解除又は非アクティブ化する機能を備える。
DODの統合人工知能センター(JAIC)が、DODのAI倫理原則の実装統括に当たる中心となる。
- 責任
[DW編集局+JSTワシントン事務所]