2020年3月12日付欧州委員会（EC）の標記発表の概要は以下のとおり。

ECはこのほど、欧州イノベーション会議（EIC）パイロットの最新の結果を発表した。欧州全土からの100件を超える革新的なアイデアが、総額3億4,400万ユーロの支援を受ける。選抜された提案には、地域および世界の大気の質モニタリングに革命をもたらす急進的なプロジェクトや、癌切除手術中の外科的精度を大幅に改善する可視化技術 FluoGuide が含まれる。

63件のアイデアが研究段階のものである。EIC「パスファインダ」パイロットからの1億6,200万ユーロ強により、提案者は画期的な技術を発見したり、それらの技術を市場に近づけたりすることができ、それによりベンチャー企業やスピンオフ企業の土台になる可能性がある。EIC「アクセラレータ」パイロットからの約1億8,200万ユーロは44件のベンチャー企業や革新的な中小企業に割り当てられ、イノベーションを発展させてスケールアップを図る。これらの企業は、財政的支援だけでなく、幅広いコーチング、メンタリング、助言/事業促進サービスを受けられる。

EIC「アクセラレータ」パイロットでは、最大250万ユーロの助成金による支援に加えて、最大1,500万ユーロの直接株式投資のオプションを提供している。「アクセラレータ」採択者の44件のうち21件が、新規のいわゆる「ブレンド・ファイナンス」支援（助成金と株式投資）を受けている。株式投資（総額は約9,700万ユーロと推定）は、詳細な適正評価実施の対象となり、共同投資家を積極的に探すまもなく設立予定のEIC基金によって管理される。

EICの支援対象として選抜された研究者、新興企業、中小企業は、EU加盟国と関連国にまたがっている。

EICはまた、戦略的なブレークスルーに向けてプロジェクトを導くハイレベルのEICプログラム・マネージャーの採用により、ファンディング運用の新たな方法を導入する。同時に、2021年から本格稼働するEICのもとプログラム・マネージャーが最大のインパクトを達成するための勧告を行う、10名の専門家集団が発表された。

[DW編集局]