[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/04/28
抄訳記事公開日:
2020/06/10

市民は科学に対し高い信頼を置いている

Karliczek: Bevölkerung hat hohes Vertrauen in Wissenschaft – eine sehr gute Nachricht

本文:

対話における科学(WiD)がサイエンス・バロメーターを発表、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

WiDアンケート調査によると市民の科学に対する信頼度は大幅に上昇しており、これに関してカルリチェク大臣は以下の通り声明を発表した:

「市民は科学と研究に高い信頼を寄せている。これは新型コロナ危機の最中における非常に良いニュースである。

科学的助言はこのコロナ危機においてかつてないほど重要である。我々がその助言を聞き、考慮する姿勢が大きければ大きいほどこの危機を克服することができる。そこで明らかなことは、科学的な知識は政治および助言に関する社会的な議論に取って代わるものではないが、常に議論のベースでなければならないということだ。各種討論において、科学的な発言は発見から引き出された結論と同じく、精査される必要がある。

これまでドイツの学界、政界、社会がこれまでこれほど集中的に意見交換をしたことはなかった。政治的な決定は新たな科学的認識をベースとし、また社会的影響を勘案して行われている。市民はこうした意見交換や科学的な助言を歓迎している。このことは回答者の81%という賛成率が明らかに証明している。

新型コロナウイルスは多くの点で我々に新しい課題を突きつけている。多様な科学的専門分野で、毎日ウイルスの研究や、ウイルスと闘い、抑え込む方法を模索する活動が進歩している。内在する暫定性と共に、リアルタイムで研究を体験している。バロメーターの数字は、市民がこれまでよりも対立する科学的意見に不安を感じなくなっていることを示している。むしろ対立的な議論が知識の取得に寄与するものであることをますます理解している。

これはここ数週間体験しているドイツにおける良好なサイエンスコミュニケーションのお陰である。即ち科学者が大きな専門性によってその認識を共有していることに他ならない。科学者はその思考および活動のプロセスを透明かつ包括的に説明している。これまでの認識の根拠に疑問を持ち、パンデミック阻止の措置で生じうる目標の葛藤をオープンに指摘している。また科学ジャーナリストたちも科学的認識を解説し、整理し、評価することで、重要な貢献を果たしている。

科学の基礎的な説明および分析は社会全般にとって非常な助けとなり、価値あるものである。それ故私は当初よりあらゆる科学領域における研究と社会の間の交換が科学的活動の当然の部分となるよう力を尽くしてきた。そのため私は、科学と社会を現在の重要課題を越えて、更に密な交換へと持っていくことを重要視している。私は明確に、あらゆる専門分野の科学者たちを、積極的に社会的議論に参加させるようにする。そのためにBMBFは学界、振興財団、メディア等による共同戦略プロセスにおける“FactoryWisskomm“で自らを強化していく」。

背景:

サイエンス・バロメーターは毎年WiDによって実施され、公表される。今回は特に新型コロナパンデミックにおける市民の科学と研究に対する姿勢を調査対象とした。

これによると市民の73%が科学と研究への信頼を、「完全に賛成」または「どちらかと言えば賛成」を示している。新型コロナへの対処に関する政治的決定は科学的認識に基づくべきであるという設問に対しては、回答者の81%が「完全に賛同」または「むしろ賛同」を示している。科学者の新型コロナウイルスに関する意見が対立した場合どちらの情報が正しいかを判断するのは難しいという設問には、回答者51%が「完全に賛成」または「むしろ賛成」としている。

[DW編集局]