[本文]
-
- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
- 元記事公開日:
- 2020/04/14
- 抄訳記事公開日:
- 2020/06/16
-
NASEMが国防総省の「生物学的脅威低減プログラム」(BTRP)に関する報告書を公表
- 本文:
-
2020年4月14日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下のとおりである。
他国の人々との連携に焦点を当てて現在および将来の生物学的リスクや脅威に対処するための専門的・技術的能力を向上させる国防総省(DOD)の「生物学的脅威低減プログラム」(Biological Threat Reduction Program: BTRP)について、今後5年間の戦略的ビジョンをNASEMの専門委員会が取りまとめた。
本報告書では、BTRPに地理的・計画的な柔軟性を与え、状況が危機的になる前に地域での活動を可能にし、従来認識されていたよりも幅広い潜在的な脅威に対処できるようにすることを推奨している。
BTRP は、国際的な公衆衛生に係る安全保障活動を実施している幾つかの米国政府プログラムの一つに過ぎないため、本プログラムの戦略的ビジョンとその成功は、米国国際開発庁(USAID)、疾病対策センター(CDC)、国務省等の機関を含む米国政府全体、並びに国際的なパートナーとの調整された行動に依存している。様々な生物学的脅威を特定し、それに対応するための連邦政府の取り組みを調整するための、省庁間のメカニズムが必要であると報告書は述べている。
本報告書では、今後5年間で、BTRPは米国政府によるこの調整メカニズムの開発を奨励し、支援し、共同で主導するべきであるとしている。更に、政策担当の国防長官室がBTRPとともに、変化する脅威の中で将来起こりうる感染症の脆弱性を監視し、特定することを推奨している。この評価プロセスの一環として、BTRPは、サーベイランス能力と分析能力の向上を通じて、事態をより適切に予測するために、パートナー諸国による、通常とは異なる状況を、イベントもしくはアウトブレイクの早期の段階で検知する能力を強化する機会を特定すべきであるとしている。また、本報告書は、BTRPのスタッフが科学的専門知識を高め、より広範な科学コミュニティと積極的に関わり、新興感染症の技術的・科学的発展を理解するよう促している。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]