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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 政府説明責任局(GAO)
- 元記事公開日:
- 2020/05/12
- 抄訳記事公開日:
- 2020/07/14
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GAOが大学の輸出管理法令順守に関する国務省と商務省のガイダンスやアウトリーチを改善すべきと勧告
- 本文:
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2020年5月12日付け、政府説明責任局(GAO)による標記記事の概要は次のとおりである。
2018年には120万人以上の留学生が米国で学んでいた。留学生の多くは米国の研究に貢献するが、知り得た機密知識を自国に「輸出する」リスクもある。このリスクを軽減するために米国政府は輸出管理を行っている。
GAOは省庁のガイダンスと大学の安全保障慣行の調査を依頼され、(1)米国の大学による輸出管理規制の理解を支援するために、国務省と商務省が、どのくらいガイダンスやアウトリーチを施しているか、(2)米国の大学が国防総省(DOD)などの他の連邦政府機関と協働するにあたっての問題点、(3)大学の輸出法令順守慣行がどのくらい国務省と商務省のガイドラインに沿っているか、について調査した。
国務省と商務省は、それぞれ大学を含む輸出機関が輸出管理規制を理解し順守するための、ガイダンスやアウトリーチを提供しているが、大学側は、それらは企業向けで、出版され輸出管理規制の対象にならない基盤的研究(fundamental research)など大学特有の輸出法令順守に関する問題に適切に対応していないとの懸念を表明した。大学が輸出管理規制を適切に順守し、輸出規制品目を適切に保護するためには、追加のガイダンスやアウトリーチが必要である。
また大学側からは、DODは基盤的研究という言葉を正しく理解しておらず、大学がDODのために研究を行う能力を制限することがあるとの声があった。さらに、連邦捜査局(FBI)や国土安全保障省(DHS)の脅威に対するブリーフィングやガイダンスは、機密扱いでない情報を含んでおらず広く共有できないために、役にたたないとの懸念も示された。
GAOは4つの勧告をしている。それには国務省と商務省がそれぞれの輸出管理ガイダンスとアウトリーチを改善することや、DODの職員による輸出管理規制の解釈が一貫性を保つよう踏み込んだ措置をとることなどが含まれる。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]