[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学アカデミー(NAS)
元記事公開日:
2020/06/11
抄訳記事公開日:
2020/08/20

全米科学アカデミー会長による多様性、公平性、包摂性についての声明

Statement on Diversity, Equity, and Inclusion

本文:

2020年6月11日付け、全米科学アカデミー(NAS)による標記記事の概要は次のとおりである。

COVID-19 に続き、米国は第2の危機に直面している。黒人とアフリカ系米国人への機会の平等の危機である。この危機は黒人やアフリカ系米国人に対する暴力と不正によりエスカレートしていたが、最近のミネアポリス警察によるジョージ・フロイド殺害事件により引火点に達した。私はこの危機に立ち向かい、より豊かな社会を築くのに必要な変化を起こす一助となりたい。

アカデミー内部ではスタッフと話し合いを持ち、必要があれば秘密を厳守することで、皆が組織内で価値を認められ、支援され、耳を傾けられていると実感できることを確保している。雇用、昇進に関するポリシーを改善して、多様な才能を見つけ、雇用し、保持できるようにしている。アカデミー会員の多様性を高めることに倍旧の力を注ぐことを含め、多様性、公平性、包摂性の風土を作るために、我々自身の壁を越えて取り組んでいかなければならない。

また、アカデミーのプログラムの各リーダーに対して、意図せずに現状を強化していないか、包摂性や公平性を推進するにはどのようなバリアを減らせばよいかなど、公平性と正義の問題に適切に対処するために、各自のプログラムをどのように再配置すれば良いかについて、スタッフや外部のアドバイザーとブレインストームするよう要請している。

さらに、正しい社会を築くにはアカデミーのアドバイスを広める必要がある。調査報告を行う委員会に対して、現行の不公平さ、それがもたらす問題点、あるいはどのように科学に基づいたソリューションが不公平を緩和できるか、そしてそれがもたらす利益について、検討するよう課されることはほとんどない。各研究においてこのような付加的な取り組みを行うには、研究支援機関の協力、調査委員会に専門知識があること、この問題を熟知した審査員の選択、発見や提言をより広く発信することが求められるが、それができれば変革的なものになる可能性がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]