[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2020/08/26
抄訳記事公開日:
2020/10/21

NSFが人工知能研究拠点を設置

NSF advances artificial intelligence research with new nationwide institutes

本文:

2020年8月26日付の国立科学財団(NSF)による標記発表の概要は以下のとおりである。

NSFは今後5年間で人工知能(AI)研究所に1億ドルを超える投資を行う。その始まりとして、今回5箇所のAI研究所に各2,000万ドルを投資する。今後数年間でさらに多くの研究所の発表が見込まれる。

NSFの主導と、農務省(USDA)の国立食料・農業研究所(NIFA)、国土安全保障省(DHS)の科学技術総局、運輸省(DOT)の連邦高速道路局(FHWA)による協力のもと、これらの研究所はより広範な全国ネットワーク拠点として機能する。USDAはこのほど、この共同プログラムを通じて支援される最初の2か所の研究所を発表し、今後5年間でさらに4,000万ドルを拠出する。

  • 気象、気候、沿岸海洋学において信頼に値するAIに関するNSF AI研究所
    ノーマンのオクラホマ大学チームが率いるもので、AI、大気海洋科学、リスクコミュニケーションの研究者を集め、気象、気候、沿岸のハザード予測における差し迫った懸念に対処するユーザ主導の信頼できるAIを開発する。
  • 機械学習の基盤に関するNSF AI研究所
    テキサス大学オースティン校のチームが率いるもので、深層学習向けの次世代アルゴリズム、ニューラル・アーキテクチャの最適化、効率的で堅牢な統計など、AIの主要な理論的課題に焦点を当てる。
  • 学生・AIチーム編成に関するNSF AI研究所
    コロラド大学ボルダー校のチームが主導する。画期的なAIを開発することで、学生と教師の両方がより効果的かつ公平に作業し、共同して学習できるように支援するとともに、教育者が学生の動機づけ・教育に最善を尽くすべく集中できるよう支援する。ビジョンは、STEMの共同学習対話を観察、参加、促進する魅力的な「AIパートナー」を開発することである。
  • 分子の発見、合成戦略、製造に関するNSF AI研究所(つまりNSF 分子製造ラボ)
    イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のチームが率いる。自動化された化学合成を加速し、新しい材料と生物活性化合物の発見・製造を促進するAI対応ツールの新規開発に焦点を当てる。
  • AIと基本的な相互作用に関するNSF AI研究所
    マサチューセッツ工科大学のチームが主導する。労働力開発、デジタル学習、アウトリーチ、知識移転プログラムを盛り込んで、物理法則を我々の知識の進歩を導く枠組として組み込むAIメソッドを開発する。
  • 次世代食品システムに関するUSDA-NIFA AI研究所
    カリフォルニア大学デービス校のチームが主導する。食品システムの全体像をAIおよび生物情報科学で統合して、生物学的データ・プロセスを解明することで、分子育種の問題に取り組み、収量、作物の品質、害虫/病害耐性、農業生産、食品加工・流通、栄養に関する(遺伝)形質の最適化を図る。
  • 将来の農業の回復力、管理、持続可能性に関するUSDA-NIFA AI研究所
    イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のチームが率いる。コンピュータービジョン、機械学習、ソフトオブジェクト操作、直感的な人間とロボットの相互作用に関するAI研究を進め、労働力不足、動物農業(畜産)における効率と福祉、作物の環境回復力、土壌の健全性を保護する必要性などの農業上の主要な課題を解決する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]