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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2020/11/02
- 抄訳記事公開日:
- 2020/12/17
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デジタル基礎教育に1,200万ユーロ
- 本文:
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ドイツ連邦教育研究省(BMBF)はドイツ成人教育学習ポータルサイトの拡大によって市民のデジタル基礎能力を強化することし、概略下記のような報道発表を行った。
ドイツでは未だに620万人の就業年齢者が全く読み書きができないか、あるいは最低水準の読み書きしかできず、日常の多くのことが困難となっている。彼らはオンラインバンキングやインターネットによる乗車券の購入等の重要なデジタル・サービスを利用することができない。またデジタル学習サービスにも、アクセスすることが困難である。読み書きが難しい人々に対して、こうしたデジタル学習サービスへのアクセスを改善するためBMBFは既に2014年から成人教育学習ポータルの構築と整備を進めている。新たな学習領域「デジタル基礎教育」を含めることで、一連のサービス改善を図る。加えて成人教育ポータルを技術的にさらに発展させ、より利用者に優しいものへ向上させようとしている。これに関してカルリチェクBMBF大臣は下記の通り説明した。
「今日、読み、書き、計算に加えデジタルメディアへの対応が基礎能力の一つになっている。インターネットで情報を検索する、オンラインでものを買う、あるいはソーシャルメディアを利用する等においては、いずれにしてもデジタル基礎能力が必要である。読み書きがうまくできない成人にとって、インターネットの情報を評価する、あるいはデジタル・アプリを安全かつ自信を持って使うことが難しいことが多い。デジタル化が進む世界において、誰も置き去りにしてはならないと考え、成人教育学習ポータルに新たな学習サービスコンテンツを立ち上げる。これによって、成人がデジタル基礎能力を習得するための新たなサービスを提供し、デジタルチャンスの機会均等を向上させる。BMBFは今後4年間に1,200万ユーロを投資する。
成人教育学習ポータルの発展に伴い、人工知能(AI)の利用も強化していく。アルゴリズムによって成人学習ポータルのコースにおける学習の進歩の分析(Learning Analytics)が可能となり、学習者は正確に新たな学習ユニットあるいは訓練課題へと導かれる。これによりAIは基礎教育内容をより効果的にし、かつ利用者により優しいものとするのに役立つ」。
[DW編集局]