[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2020/10/29
抄訳記事公開日:
2020/12/22

NSFが中規模研究インフラ支援プロジェクトに1億2,500万ドルを投資

NSF enables groundbreaking science with $125 million in mid-scale infrastructure investment

本文:

2020年10月29日付の国立科学財団(NSF)による標記発表の概要は以下のとおりである。

NSFは何十年もの間、科学者による科学・工学のフロンティア推進を可能にするインフラに資金を提供してきた。NSF横断型のプログラムでは、大規模施設の建設や小型機器の導入を支援してきたが、NSFには最近まで中規模プロジェクト専用のプログラムはなかった。中規模インフラ・プロジェクトは、この規模での投資によってのみ達成できるブレークスルーを可能にする。NSFはこのギャップを埋める必要性を認識し、重大な課題に対処する3件の新規プロジェクトを支援するべく1億2,500万ドルを助成する。

今年の1億2,500万ドルの助成は、2,000万ドルから7,000万ドルの範囲の「すぐに着手できる」プロジェクトのクラスに対するものである。これらプロジェクトは、機器、手段、研究要員をイノベーションに必要な専門能力と組み合わせたものになる。各プロジェクトは、コミュニティの関与、教育、トレーニングの機会も提供する。

新規3施設は次のとおりである。

  • 「コーネル高エネルギー・シンクロトロン光源(CHESS)の高磁場ビームライン」は、世界で最も強力なX線光源の1つで、材料の量子特性を知るための前例のない能力を備えている。加速された粒子の経路を作成するシステムである新しいビームラインは、世界のシンクロトロン粒子加速器施設で利用可能な最高の直流磁場を特徴としている。この新しい能力は、量子センシングと量子コンピューティングを進歩させる可能性を秘めている。
  • 「グローバル海洋生物地球化学アレイ」は、500個のロボット・フロートのネットワークを海に放出し、表面から1マイル以上の深さまで化学・生物学のデータを収集する。モントレー湾水族館研究所(MBARI)が率いる5つの研究機関が、業界パートナーと協力してフロートを建設する。このアレイは、温度、深さ、塩分、酸素濃度、酸性度、硝酸塩濃度、太陽光、クロロフィル、水中の粒子を測定することにより、海洋生物や漁業の健全性などの、海洋の健全性の監視を改善および拡大する。
  • 「分散型エネルギー資源のネットワーク制御目的のグリッド接続試験インフラ」は、再生可能エネルギー・分散型エネルギー資源の将来の電力網への統合を進める可能性のある、独自のオープンアクセス資産を提供する。カリフォルニア大学サンディエゴ校を拠点とするこのテストベッドには、リアルタイムのデータ分析、機械学習、分散制御アルゴリズムが組み込まれる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]