[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2020/11/27
抄訳記事公開日:
2021/02/09

複数年研究計画法:2021年からANR予算の大幅増

Loi de programmation de la recherche : un accroissement significatif du budget de l'ANR dès 2021

本文:

2020年11月27日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

2020年11月19日、国立研究機構(ANR)理事会は、(2006年のANR設立以来、前例のないレベルの)11億9,000万ユーロの研究プロジェクト・ファンディング向け助成支出となる2021年度予算を採択した。この2021年当初予算は、2020年と比較して4億4,400万ユーロ増加し、複数年研究計画法の枠組みの中で(ANRが早期に世界トップクラスの研究ファンディング機関になるべく) MESRI が行った公約を具体化する。復興計画はこの活力をさらに加速し、2021年から10億ユーロのプロジェクト公募枠に到達することを可能にする。この歴史的な増額により、2021年から研究室内の状況を変えることが可能になる。

● リソースの大幅増による研究に不可欠な進化

研究計画法の公約に従い、ANRはこの予算のかなりの部分をテーマを定めないファンディングに割り当て、創造性と科学的リスクテイクを支援する。これにより、採択率向上を加速させ、包括的プロジェクト公募(APPG)では、2020年の約17%に対して、2021年からは23%を達成する。

研究室や研究ユニットの支援に必要な各施設の十分な財政を可能にする間接経費(préciput)の全体額も、2021年には1億ユーロ弱から1億4,000万ユーロ強に50%以上の大幅増が認められる。間接経費には、運営経費に加えて、科学政策における行動能力展開を可能にする資金が含まれる。2021年には、運用費のシェアは11%から13%になり、管理費のシェアは8%から10%になり、2021年には2%の研究室シェアが導入された。2027年までに、全体で40%の間接経費が目標とされている。

● 研究・イノベーションへの再投資

ANRは、特に “ラブコム(Labcom)”(公的研究室と中小・中堅企業との間の共同研究室の設立プログラム)、および(アカデミアと連携する民間の研究開発への投資を支援する)産業講座、による提携研究への支援を強化する。
2021年から、「カルノー機関」制度では、割り当てられる予算額が33%増加する。
予算の増加はまた、科学技術文化の普及、科学講座受講状況の分析、参加型研究などに関するANRの開かれた活動を強化する。

● 提携関係の強化とニーズへの対応

ANRは、欧州および国際レベルでの提携活動を継続する。国内レベルでは、提携関係の展開強化により、国や地方自治体が実施するすべての公共政策全般への研究の寄与を高めるのに役立てる。国の戦略による地域研究計画の明確化を改善するべく、地域との協力が開始・展開されている。国防イノベーション庁(AID)との提携関係も強化され、ファンディングを受けた Astrid および Asma プログラムに対するAID資金支援が大幅に増加する(2021年には+ 44%)。

● ANRプロジェクトを監視するためのツールとサービスの開発

このリソースの増加には、ANRによるプロジェクトを監視するための新しいITツールの展開が伴う。

[DW編集局+JSTパリ事務所]