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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2020/12/09
- 抄訳記事公開日:
- 2021/02/09
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持続可能でスマートな移動戦略の発表
- 本文:
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2020年12月9日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
欧州委員会(EC)はこのほど、「持続可能でスマートな移動戦略」と、今後4年間の作業の指針となる 82 件のイニシアチブの行動計画を発表した。この戦略は、EUの輸送システムがグリーン・デジタル変革を達成し、将来の危機に対して、より強靭になるための基礎を築くものである。欧州グリーン・ディールで概説されているように、その結果は、2050年までに排出量が90%削減され、スマートで競争力があり、安全で、アクセスしやすく、手ごろな料金の輸送システムが実現されるものである。
● 持続可能でスマートな未来に向けたマイルストーン
「2030年目標」
- 少なくとも3,000万台のゼロエミッション車が欧州の道路で走行する。
- 欧州の100都市が気候中立になる。
- 高速鉄道の交通量が欧州全体で2倍になる。
- 500 km未満で予定される団体旅行は、気候中立で行われる必要がある。
- 自動化されたモビリティが大規模に展開される。
- ゼロエミッションの船舶の市場導入準備が整う。
「2035年目標」
- ゼロエミッションの大型航空機の市場導入準備が整う。
「2050年目標」
- 車、バン、バス、および新型大型車のほぼすべてがゼロエミッションになる。
- 鉄道貨物輸送が2倍になる。
- 高速接続を備えた持続可能でスマートな輸送を目的とする複合輸送の欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)の完全稼働。
● ビジョンを実現するための10の主要活動分野
目標実現のため、本戦略では10の主要行動分野で82件のイニシアチブを特定し、それぞれで具体的な対策を講じている。
「持続可能性」
- 2030年までに300万か所の公共充電ポイントを設置すること等により、ゼロエミッションの車、船舶、飛行機、再生可能・低炭素燃料、および関連するインフラの普及を促進する。
- 持続可能な航空・海上燃料を促進するための新規イニシアチブ等を通じて、ゼロエミッションの空港や港を創出する。
- 今後10年間で高速鉄道の交通量を2倍にし、追加のサイクリング・インフラを開発すること等により、都市間および都市の移動を健全で持続可能なものにする。
- 2050年までに鉄道貨物輸送を2倍にすること等により、貨物輸送をグリーン化する。
- すべての輸送にわたり公正で効率的な価格設定を提供する一連の措置を追求すること等により、炭素の価格設定とユーザーへのより適切なインセンティブを提供する。
「スマート」
- 乗客が(輸送モードをシームレスに切り替えることができる)複合輸送の旅や貨物輸送のチケットの購入等ができるようにすることで、ネット接続され自動化された複合輸送移動を実現する。
- ドローンや無人航空機の配備や、欧州共通モビリティ・データ空間を構築するためのさらなる方策等を全面的に支援することにより、よりスマートな移動のためのイノベーションやデータおよび人工知能(AI)の活用を促進する。
「強靭性」
- 2030年までに欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)を完成させる取り組みと投資を強化し、あらゆる様式の船団の最新化における官・民両方の投資増を通じてこのセクターのより適切な再建を支援すること等により、単一市場を強化する。
- 新しい移動手段を身体の不自由な乗客を含むあらゆる地域のすべての乗客が利用し易く、アクセスできるようにし、本セクターを労働者にとってより魅力的なものにすること等により、モビリティを全ての人に公平かつ公正に提供する。
- 2050年までに死亡者数をゼロに近づけるなど、すべての形態で輸送の安全性とセキュリティを強化する。
[DW編集局]