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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立宇宙研究センター(CNES)
- 元記事公開日:
- 2014/07/04
- 抄訳記事公開日:
- 2014/07/31
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巨大地震により、圧力下にある火山地域が明らかに
- 本文:
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国立科学研究センター(CNRS)の2014年7月4日標記報道発表の概要は以下のとおり。
地球科学研究所(CNRS/ジョセフ・フーリエ大学/サボア大学/等)およびパリ地球物理学研究所(CNRS/パリ大学ディドロ校等)の研究者らは日本(防災科学技術研究所等)の研究者らとの共同研究により、2011年の東北沖巨大地震で発生した地震波に対する日本の火山地域の反応を初めて観測した。この観測結果は地震が火山にどのような影響を及ぼすかを示唆するものであり、世界中の主要な火山の噴火リスク予知向上に役立つ可能性がある。この研究成果は2014年7月4日「Science」誌に掲載された。
2000年代の初めまでは地震のノイズは地震学の解析から意図的に除かれていた。ところがこのノイズは、実際には海洋の隆起によって生じる地震波に関係している。このノイズを分析に活用することで、地震学者は、(極めて局地的で時間も限定的な)地震により地球の内部状態やその時間的変化を地球規模のエコーグラフィーによって想定する作業から解放される。
この地震ノイズの活用こそ、地殻の力学的特性の乱れを時間的に継続して測定する新たな測定法の起源である。地球科学研究所およびパリ地球物理学研究所の研究者らはこの新規技術を活用すると共に、世界で最も高密度の地震検知器網「Hi-net」を備える日本の研究者らと連携した。
2011年の東北沖巨大地震の後、研究者らは上記網から取得した70テラバイト強のデータを解析し、その結果、地殻変動が最も大きな地域が揺れの最も大きかった地域と一致しないことが初めて判明した。地殻変動の大きい地域は、実際には火山地域、特に富士山の地下に偏っていた。
[DW編集局+JSTパリ事務所]