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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2021/02/05
- 抄訳記事公開日:
- 2021/04/09
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欧州がん撲滅計画:予防、治療、ケアへの新たなEUアプローチ
Europe's Beating Cancer Plan: A new EU approach to prevention, treatment and care
- 本文:
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2021年2月5日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
欧州委員会(EC)はこのほど、フォン・デア・ライエン委員会の保健分野における最優先事項であり、強力な欧州保健連合(EHU)の重要な柱である欧州がん撲滅計画を提示した。本計画は、新たな技術、研究、イノベーションを出発点とする、がんの予防、治療、ケアに対する新たな欧州連合(EU)のアプローチを定めている。それは、EUが最大の価値を付加することのできる施策に焦点を当てて、がん患者・克服者の予防から生活の質まで、病気の経過全体に取り組むものである。
欧州がん撲滅計画は、雇用、教育、社会政策、平等から、マーケティング、農業、エネルギー、環境と気候、そして輸送、結束政策、課税に至るまで、各政策領域にまたがる施策によって支えられる。
本計画は、「10件の主要イニシアチブと複数の支援策」を伴う4つの主要な施策領域(①予防、②早期発見、③診断と治療、④がん患者・克服者の生活の質の向上)を中心に構成されている。EU4Healthプログラム、Horizon Europe、Digital Europeプログラムなど、がんに対処するための施策に割り当てられた合計40億ユーロで、欧州委員会の資金支援手段全体を活用して実施される。
● がんへの最新のアプローチ:患者中心のがんの予防・ケアのサービスにおける新しい技術、研究、イノベーション
- がんに関する知識センター:EUレベルでの科学・技術関連イニシアチブのより的確な調整。
- 欧州がん画像診断イニシアチブ:画像診断の精度と信頼性を高める革新的なソリューション。
● 持続可能ながん予防による救命策
- EUの資金とインフラへの投資の支援を受けて、2030年までにヒト・パピローマウイルスの予防接種を少女の少なくとも90%に、そして少年の接種を大幅に増加させる。また、たばこ(2040年までに、たばこの使用を確実に人口の5%未満にすることを目的とする)、有害なアルコール消費、環境汚染、有害物質などの主要なリスク要因に対処する施策がある。
● がんの早期発見向上策
- EUがん検診制度:検診に関する提言事項の更新、新たな指針、品質保証制度など。支援加盟国において、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がんの検診を受ける資格のあるEU市民の90%が、2025年までに検診を受けられるようにする。
● 高水準のがん診断・治療へのアクセスの確保
- EUネットワークにより、2025年までにすべての加盟国の認定国立総合がんセンターをリンクする。
- すべてのイニシアチブ向けのがんの診断と治療:革新的ながんの診断と治療へのアクセス。
・がんを把握するための欧州イニシアチブ(UNCAN.eu):一般的がんのリスクが高い個人の特定に資することを目的として、がんに関する予定ミッションの下で計画されている。
● がん患者・克服者の生活の質の向上策
- がん患者の生活改善イニシアチブ:がん克服者スマートカードおよび欧州がん患者デジタルセンター。
● EU全体のがんにおける不平等を減らす施策
- がん不平等登録制度:加盟国・地域間の不平等を減らす。
● 小児がんにスポットライトを当てる
- 小児がん患者支援イニシアチブ:EUの若年者がん克服者ネットワークなど。
[DW編集局]