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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 原子力・代替エネルギー庁(CEA)
- 元記事公開日:
- 2021/03/15
- 抄訳記事公開日:
- 2021/05/07
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事故から10年後の福島:研究の最前線に立つCEA
Fukushima, 10 ans après : le CEA à la pointe de la recherche
- 本文:
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2021年3月15日付原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は以下のとおり。
2011年3月11日の非常に大きな地震と津波の後の福島第一原子力発電所の事故から10年が経過した後でも、日本は「復興」戦略を続けている。日本は多くの課題に直面している。原子炉の浄化と解体という巨大プロジェクトを継続し、住民を再び迎え入れるために発電所近辺の土壌除染を続け、環境中の放射能を監視している。それに対処するために、日本は国際的な支援を求めている。以下は、CEAがこれらの課題にどのように貢献しているか、そして原子炉の安全性の分野での研究にどのように貢献しているかについての報告の概要である。
● 解体と浄化の支援
損傷した原子炉を解体し、現場を浄化し、土壌を修復するための長期にわたる巨大プロジェクトが、損傷した福島第一原子力発電所の周辺で現在進行中である。これは40年以内に完了する必要がある。
CEAチームは、産業界や他のフランスの研究機関と連携して、ニーズに応じて、特定の技術、実現可能性調査、専門知識、実験プラットフォームでの試験・試行を行うためのロジスティックおよび材料支援を提案することにより、これらのプロジェクトの多くに貢献している。
● 土壌と水の汚染の監視
福島第一原子力発電所の事故当時、放射性核物質が大気中に放出され、土壌汚染を引き起こしていた。早くも2011年から、CEAの研究者が動員され、環境中の放射能汚染の監視に参加して、放射性核物質が河川や土地の動きを介してどのように再分配されるかの把握に貢献した。
● 土壌の除染
2011年の事故後福島第一原子力発電所周辺の1,100 平方キロメートル以上が避難対象となり、放出された放射性核物質によって地表が汚染された。日本の当局にとっての目標は依然として、住民の漸次復帰である。この目的のために、土壌、特に農業用土壌を再利用できる解決策の探求として、除染作業が続けられている。
発電所周辺の膨大な量の汚染土壌をどうするか?”Demeterres”プロジェクト(事故後の復旧戦略を支援する排水と土壌の合理的な修復のための生物学的・生態工学的手法の開発)が生まれたのは、この問題に応えるためである。2013年から2020年にかけて、学術界・産業界のパートナーと協同してCEAが主導し、植物や浮選フォームを利用したものなど「エコテクノロジー」を研究・開発した。
● 安全確保の領域での研究続行
福島第一原子力発電所の事故後、原子力コミュニティ全体が、原子炉の安全性の領域で重要な研究努力を維持する必要性を認識した。事故前からすでにこれらのテーマに深く関わっていたCEAには、サクレーのタマリス・プラットフォームやカダラッシュのプリニウス・プラットフォームなど、独自の実験施設がある。
[DW編集局+JSTパリ事務所]