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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/04/16
- 抄訳記事公開日:
- 2021/05/26
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カルリチェクBMBF大臣 “変化する勇気が必要”
- 本文:
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2021年4月16日付ドイツ連邦議会における研究とイノベーション枠組プログラム(②021-2024)に関する討議にあたりドイツ連邦教育研究省(BMBF)大臣は以下の概要とおり語った。
カルリチェクBMBF大臣は、枠組プログラムを用いて様々なレベルでの協働の深化を進めていくとして、次のように述べている。
ドイツはイノベーション国家であり、多くの分野で、特に基礎研究において、ドイツはトップリーグでプレイしている。
ドイツのmRNAテクノロジーは、まさしくその代表例であり、BMBFの支援があって市場に出すことができた。マインツ(ビオンテック)のワクチンにより、現在、世界中の命が救われている。
イノベーション国ドイツにおいて、10年から20年の間に付加価値を確保するものをすでに推進している。BMBFは未来のテクノロジーを識別し、研究助成を通じてそれらを前進させている。
AIとマイクロ・エレクトロニクスに重点を置き、自動運転技術に我々の生活を委ねられるようにしたい。スマートフォンが日常生活を根本的に変えたように、生活様式、働き方、コミュニケーションの方法など、人工知能(AI)、マイクロ・エレクトロニクス、量子コンピュータの進歩も、まったく新しい視点をもたらす。
また、極紫外線(EUV)の利用により技術的飛躍がもたらされ、マイクロチップはより強力となり、エネルギー効率が向上し、コストも削減できる。オランダのASML社とそのドイツの協力会社である、ツァイス社とトゥルンプ社だけが、EUVリトグラフィー用の高性能精密機械を製造しており、これにはBMBFも関与している。
他のテクノロジー分野では、量子コンピュータが挙げられる。今後5年間で競争力のあるメイド・イン・ジャーマニーの量子コンピュータをつくり出し、マイクロチップより小さな空間で、より速い計算速度を実現させたいと思っている。
第3のキーテクノロジーであるAIには、1980年代から関わってきており、ドイツが世界的なAI国家で、最も魅力的なAI研究拠点になることを望んでいる。それを目的として、2025年までに総額50億ユーロをAIのために助成する。
AIの競争はスピードを増しており、ドイツと欧州は、優位なスタート地点に立っている。経済と科学が緊密に結びついていて、過去3年半の間にさらに結びつきが強力となるよう取り組んできた。2020年代をイノベーションの10年、近代化の10年にしたいと思っている。これによってのみ、ドイツの繁栄の基礎を確かなものにすることができる。このようにして欧州における付加価値と雇用が維持される。こうすることで、ドイツの次世代に対する我々の責任を果たせると考えている。
今、変化する勇気が必要である。国内では州や地方自治体と、また世界の民主主義国家と、協力して、これらの全ての経路を構築していく勇気が必要である。特に標準をつくる場合には、多くの分野で世界的なレベルで、自由な民主主義国家と共に進めていくことが必要である。 [DW編集局]