[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2021/05/03
抄訳記事公開日:
2021/06/21

DARPAが国防支援のためのAIによる文化通訳システムを構築

Creating AI-Enabled Cultural Interpreters to Aid Defense Operations

本文:

2021年5月3日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

国防総省 (DOD)は、世界的に活動する連邦政府機関の一つであり、常に多様な文化に接している。現地の言語だけでなく、社会的な習慣や文化的背景を理解するコミュニケーションは、民事作戦や軍事情報支援作戦活動の中心となる。異文化間のミスコミュニケーションは、交渉を頓挫させ、敵対的な言説を誘発し、さらに戦争につながる可能性もある。このため、国防支援のための人工知能(AI)活用による文化通訳システムが求められている。

このため、DARPAは計算論的文化理解(CCU)プログラムを開始する。CCUの目的は、DODのオペレータの状況認識能力と、多様な国際的オーディエンスと効果的に対話する能力を向上させるために、異文化間の言語理解サービスを構築することである。本プログラムは、社会、言語、コミュニティによって異なる感情的、社会的、文化的規範を認識し、それに適応し、その中でどのように活動するかを推奨する自然言語処理(NLP)技術を開発することを目指している。

CCUは次の2つの主要な研究分野に分かれている。
① 現在の人間の言語・コミュニケーション技術の適用を制限する特定の課題に対処するための研究開発
具体的には1)社会文化的規範の発見、2)社会文化的規範の機能としての感情の認識、3)社会文化的規範や感情の影響のある変化の検出、である。
② 対話支援サービスの開発
本サービスは、社会文化的背景の検出を自動化し、①の研究分野の成果を活用し、進行中の会話を追跡し、リアルタイムに誤解を検出し、人間のオペレータに対話支援や改善支援を行う。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]