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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国航空宇宙局(NASA)
- 元記事公開日:
- 2021/05/25
- 抄訳記事公開日:
- 2021/07/13
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NASAが新たに地球システム観測衛星アーキテクチャの運用を開始
New NASA Earth System Observatory to Help Address, Mitigate Climate Change
- 本文:
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2021年5月25日付の米航空宇宙局(NASA)による標記発表の概要は以下のとおり。
NASAは、気候変動、災害軽減、森林火災との闘い、リアルタイムの農業プロセスの改善に関連する取り組みの指針となる重要な情報を提供するため、地球システム観測衛星(Earth System Observatory)ミッションを開始する。本ミッションにおいて、各衛星は他の衛星を補完するように設計され、岩盤から大気までの、全体的な3D地球図を作成するために連携して機能する。
地球システム観測は、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)の2017年の地球科学10年調査の推奨事項に従うもので、重点分野は次のとおりである。
•エアロゾル:気候変動を予測する際の不確実性の主な原因である、エアロゾルが全球エネルギー収支に及ぼす影響という重要な疑問への回答。
•雲、対流、および降水量:気候変動の将来の予測、大気質の予測、および異常気象の予測における不確実性の最大の原因への取り組み。
•質量変化:干ばつの評価と予測の提供、およびこれらに基づく農業用水使用の計画策定ならびに自然災害への対応の支援。
•地球表面の生物学と地質学:生態系と大気、海洋、地球の内部およびそれらの間の炭素、水、栄養素、エネルギーの流れに関する未解決の疑問への回答による、食料と農業、生息環境、天然資源に影響を与える気候変動の理解。
•地表の変形と変化:地震、火山、地滑り、氷河、地下水、地球内部のダイナミクスを含む、気候変動によって引き起こされる海面と地形の変化モデル、ハザード予測、災害影響評価の定量化。観測衛星のアーキテクチャは現在NASAで構成段階にある。最初の統合部分には、NASAとインド宇宙研究機構(ISRO)によるパートナーシップがあり、これは2種類の異なるレーダーシステムを統合することで、地表の変化を0.5インチ未満の精度で測定することができる。この機能はNISAR(NASA-ISRO合成開口レーダー)と呼ばれる最初のミッションの1つで利用される。このミッションでは、氷床の崩壊や、地震、火山、地滑りなどの自然災害など、地球上で最も複雑なプロセスのいくつかについて測定する。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]