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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- フラウンホーファー協会(FhG)
- 元記事公開日:
- 2021/06/01
- 抄訳記事公開日:
- 2021/07/30
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燃料電池の双極プレート生産のための仮想技術キットの開発
- 本文:
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2021年6月1日付フラウンホーファー協会(FhG)による標記発表の概要は以下のとおりである。
燃料電池は、生産技術の選択肢が多すぎるため、ユーザーや関係者にとって、全体を概観してニーズに応じた適切な生産プロセスを特定することは容易ではない。この問題を解決するために、フラウンホーファー・工作機械・成形技術研究所(IWU)とフラウンホーファー生産技術研究所(IPT)の研究者たちは、仮想技術キットを開発した。このキットは燃料電池の生産において最適な生産決定に役立ち、特定の用途に応じて、双極プレートに最適な成形技術の適用が、このキットにより可能となる。
IWUとIPTは、これらの生産ステップに精通していることから、既存のコンピテンスを共通の仮想技術キットにまとめることを決定した。タスクフォースWasserstff@IWUを率いるウルリケ・バイヤー(Dr.Ulrike Beyer)氏は、次のように述べている。
「IWUにコンタクトするほとんどの企業は燃料電池の生産に投資を予定している。形成プロセスについては、基礎的なアイデアを持っているが、そのプロセスを適用した場合の経済的な面については確信を持っていない。生産量や生産コストを評価することは困難である。弊社の技術キットによるエビデンスに基づく分析により、初期状況をオープン・エンドで見て、様々な依存関係をシステム的に考慮し、あらゆるニーズに合わせてカスタマイズされた技術的ソリューションを開発することができるようになっている。研究者は、プロセス決定のパラメータとして、設備および工具のコストと生産量だけではなく、サイズ、平坦性、再現可能なフローフィールド設計などの達成可能な成形結果を利用する」。フラウンホーファーIPT所長であるクリストフ・バウム(Dr.Christoph Baum)氏は、
「使用する原材料も成形プロセスを決定する。選択される技術に応じて製造工程の順序も変わるが、これについてもIPTの技術キットによりオリエンテーションが得られる」と述べた。中長期的には他のフラウンホーファー研究所と協力して、追加の生産ステップと燃料電池コンポーネントに関する技術キットの拡張を計画中である。バイヤー氏は、さらに「我々の目標は、個々の生産ステップが可視化され、お互いにリンクすることが可能で、特定のケースでの完全な燃料電池の生産に最適な組み合わせを、迅速に見つけることができる、大規模でハイレベルのデジタル・プラットフォームである」と続けた。
このプラットフォームは、フラウンホーファー協会の[ナショナル・アクションプラン・燃料電池(Nationale Aktionsplan Brennstoffzellenproduktion)で目下設計中である。 [DW編集局]