[本文]
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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学院(CAS)
- 元記事公開日:
- 2021/07/16
- 抄訳記事公開日:
- 2021/08/31
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中国科学院が「2020科学発展報告」および「2020ハイテク発展報告」を正式に発表
- 本文:
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2021年7月16日中国科学院は、「2020科学発展報告」と「2020ハイテク発展報告」を正式に発表したことを次のように伝えている。
中国科学院の重要なシリーズ年度報告である「2020科学発展報告」と「2020ハイテク発展報告」が正式に発表された。侯建国中国科学院院長は「国家発展の戦略的支援のための科学技術の自立自強」と題して報告の序文を寄せている。当該シリーズ報告は、国の政策決定に係る人々および一般国民に科学技術の面における最新の動向をよりよく理解してもらうことを目的としている。中国科学院が科学者と関連分野の権威ある専門家を組織して編集に当たらせたもので、世界と中国の科学とハイテク等の面における発展の毎年の重大なイノベーションの成果、主な発展の趨勢、重要な科学技術の政策と戦略を分析し、総合的に論述し、関連の政策提言を提出しており、科学性、フロンティア性および権威性を有している。
「2020科学発展報告」は当該シリーズ報告の第23版で、主な内容は、中国における分子科学、ナノフォトニクスの発展動向の展望である。「嫦娥4号」、太陽系探査、人工光合成ソーラー燃料、DNAコンピューティング、エコシステム微生物グループと人類の健康等の5つの科学フロンティアの研究の進歩を分析する。2019年に中国科学者が達成した代表的な成果が紹介されている、たとえばLAMOSTの新しい方法を利用した銀河系最大の恒星級のブラックホールの発見、「墨子号」衛星を利用して率先して展開した重力場によって誘導される量子エンタングルメントデコヒーレンス実験主導等である。
基本的フロンティア、人の健康と医薬、生物、農業、環境、地球、海洋、宇宙、情報、エネルギー、材料製造、および重大な科学技術インフラを含む、12の主要な科学技術分野における国際研究の進展および戦略的計画の配置、および世界の主要国と機関の科学・技術・イノベーション戦略における新たな大きな進展を総括的に論述している。
また、中国科学院学部の、2050年に目を向けた国家イノベーション体系の全面的構築、栄養主導型農作物の開発、海洋科学技術体制の改革による海洋強国の建設、中国の一般実験室における生物安全規範化の管理強化等の問題に関する会員の提案を要約して紹介しており、中国の科学発展を促進を目的としたマクロ的政策決定に重要な基盤を提供している。
「2020ハイテク発展報告」は、「情報技術」をメインテーマに、合計6章に分かれている。第1章は「2019年のハイテク発展」概要、第2章は「情報技術の新たな進展」、第3章は「情報技術産業化の新たな進展」、第4章は「ハイテク産業の国際競争力とイノベーション能力評価」、第5章は「ハイテクと社会」、第6章は「専門家フォーラム」である。
中国科学院は、中国の科学技術の最高学術機関であり、国家のハイエンド科学技術シンクタンクとして、世界と中国の科学技術の発展状況を、中国の最高意思決定レベルと社会に対して、包括的および体系的に報告する責任と義務を負っている。このことは世界の科学技術の全体的な競争・発展状況を把握し、科学と経済社会の将来の発展に関して先見性のある思考と配置を実施し、国の発展に関する政策決定における科学的レベルの促進・向上に寄与する。同時にまた、先進的科学・文化を広め、全民族の科学リテラシー向上に役立つ。
[DW編集局]