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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/07/12
- 抄訳記事公開日:
- 2021/09/01
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若者と高齢者の世代間を結びつける出会いのプログラム「ライフストーリー」
- 本文:
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2021年7月12日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。
何が私を形作ってきたのか?私はどのような価値観で生きているのか?私の将来の計画は何なのか?世代間の交流は我々のアイデンティティにとって非常に重要である。この特別な出会いのプログラムは、老若男女への助けとなり利益となるものと期待される。アイデンティティの発達と世代性(Generativität)は、青年期から成人期の中心的な発達課題とみなされている。2017年から2020年の間にBMBFが助成したVIP+プロジェクト・ライフストーリーでは、若者と老人の出会いのプログラムが世代間を結びつける重要なものととして確認された。世代間プログラム「ライフストーリー」は、トリア大学発達心理学科で考案されたものである。その目的は、若者のアイデンティティ探しをサポートすると共に、若者との接触がほとんどない高齢者に、次の世代に経験を引き継ぎ、老後の幸福と意味を体験するために、生き生きと活動する機会を提供することである。このプログラムは、老若男女が各々の経歴に基づいて人生の本質的な問題について意見交換できるようにすることを目指している。
助成期間中、トリア地域の老人ホームでの出会いのプログラムは、若者と老人ホーム居住者の12のグループにより検証された。ここでは、プログラム自体と、プログラムによって生じた変化の両方の面から検証された。
学習の機会であると共に、相互の価値を見い出したことと自己反省を経験したことは、プログラムのもう1つの重要な成果であった。若者は、自身について学び、自分が何であるかを明確にすることができた。また高齢者は若者との出会いにおいて、人生の重要な経験を伝え、共有することができ、プラスの効果を得ることができた。
新たに考案された世代間プロジェクト「ライフストーリー」では、世代間プログラムで表明された「理論的根拠が不十分」「検証が不十分」という2つの批判について反論がなされた。若者と高齢者の仕事の場での出会いプログラムが今後さらに多く利用されることが望まれている。若者と高齢者の仕事に興味のある人々に無料で配られる実用的なハンドブックには、看護師の養成や各世代の仕事において、役立つものである。 [DW編集局]