[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2021/08/06
抄訳記事公開日:
2021/09/27

科学担当大臣が UKRI のオープンアクセス・ポリシーを発表

Science Minister announces UKRI’s open access policy

本文:

2021年8月6日付ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の標記発表の概要は以下のとおり。

アマンダ・ソロウェイ(Amanda Solloway)科学担当大臣が、インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)が主催するラウンドテーブルにオンラインで参加し、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の新しいオープンアクセス・ポリシーについて、次のように語った。

英国の研究界がオープン性に向けて明確に推進していることは、長期にわたる真実である。我々は、公的資金による研究の成果を公開し、すべての潜在的なユーザーにとって可能な限り有用で影響力のあるものにし、すべての人の利益になるようにする義務がある。

COVID-19 パンデミックを例にとると、研究者らはわずか1か月でウイルスゲノムの配列を解読し、ランセットのオープンアクセス発表論文としてオンラインで自由に共有した。世界中の研究者が、信じられないほどの新規データ共有ツールを構築し、疫学や政策に関する豊富な新規データソースをオープンにして、数え切れないほどの新規発見をプレプリント・サーバーに投稿した。多くの雑誌が、COVID-19に関連するすべての論文を自由に利用できるようにするために、必要な措置を講じた。
研究を可能な限りオープンかつ迅速に共有し、否定的な結果や裏付けのない結論から迅速に学習することで、この致命的なパンデミックを阻止するために最も確実な方法であるワクチンや治療法を提供することができた。

オープンな研究は、英国が長い間世界をリードしてきた課題である。そして、我々は順調に前身してきたことを認識する必要がある。公的資金によるかなりの量の研究が自由に読まれ、再利用できるようになっている。調査によると、少なくとも28%の論文が無料で自由に読めるようになっており、何らかの方法で自由に読める論文は、すべての論文のおそらく半分に増えている。また、大学1,207校を対象とした最近の調査によると、2017年に研究の80〜90%を無料で読めるようになった大学もあり、欧州で最も成績の良い50大学のうち40大学が英国の大学である。

もちろん、誰もが適応するにつれて、克服すべきハードルがある。有料コンテンツの壁に閉じ込められてしまう論文があまりにも多すぎる。産業界、医学界、またはより広範な社会での想像を超える範囲の有用なアプリケーションから切り離されている。また、論文が公開された時点で、1、2年が経過していることが多く、エンバーゴ(論文掲載猶予期間)が最終的に解除された時点で、つまりおそらく船が出航した後であり、機会が過ぎてその研究分野は進んでしまっている、ことがあまりにも多い。さらにこのデジタル時代においては、知識の成果を広範に自由に共有するために、我々全員が目の前にある魅力的な機会に目をやる必要がある。

私は、UKRIの新規オープンアクセス・ポリシーの開始を発表できることを嬉しく思う。これは、研究開発ロードマップに示されている、研究論文の完全かつ即時のオープンアクセスという政府の目標を達成するためのポリシーである。これにより、UKRIが資金支援する研究の成果は、その発表日以降すべての人が利用できるようになる。このポリシーにより、UKRIが資金支援した研究の成果は、可能な限り自由に利用できるようになる。このことは、単に読むだけでなく、他の成果と併せてと再利用・再結合することで、さらも多くの人々の可能性を解き放つ人間の知識の共有リポジトリを構築するものである。これは、英国および海外において、我々の最も差し迫った問題に対する、革新的な新しい解決策を学習、発明、発見を可能にする。

[DW編集局]