[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2021/09/24
抄訳記事公開日:
2021/11/09

Horizon Europe: SNSFが10月から研究者を支援するための経過措置を開始

Horizon Europe: SNSF transitional measures starting October

本文:

2021年9月24日付のスイス国立科学財団(SNSF)の標記発表の概要は以下のとおり。

スイスは現在、欧州連合(EU)のHorizon Europeに関して、非準加盟国の第三国となっている。SNSFは、政府の指令に基づき、研究者を支援するための経過措置を設定した。

2021年にERC上級助成金(ERC Advanced Grant)の応募を予定していた研究者のために、SNSFは、連邦政府を代表して、SNSF上級助成金(SNSF Advanced Grant)という経過措置を導入した。この助成金は、スイスで革新的でリスクの高い研究を行うことを希望する一流の研究者を対象としている。応募者は2021年12月1日までに提案書を提出する必要がある。提案は、ERC上級助成金のために設立されたパネルと同様に、国際的な専門家からなるパネルによって2段階で評価される。

ポスドクに対する経過措置:
SNSFは、マリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクションズ(MSCA)によるフェローシップの申請を予定していた研究者のための経過措置も提供している。関心のある研究者は、スイスの研究機関でのポスドクフェローシップをSNSFに申請することができる。新しい助成制度である「SNSFスイス・ポスドク・フェローシップ」は、ポスドクとしての経験が8年以下の早期キャリアの研究者を対象としている。応募者は2021年12月15日までに提案書を提出する必要がある。参加要件を満たした提案は、関連分野の専門家2名によって評価される。

2022年に想定される経過措置:
2022年のERCの若手助成金およびERC独立移行助成金についても、スイス人研究者がこれらの公募にプロジェクト提案を提出する資格がない場合には、経過措置が適用される。これらの措置は可能な限り欧州の公募に基づいて行われるが、プロジェクトの提出期限は独自に設定される。

スイスの主導的ポジションの確保:
スイスが国際的な研究で最前線の位置にあるのは、その強力な国際的ネットワークのおかげであり、これを守るためにあらゆる努力を払う必要がある。SNSFは、スイスの魅力を維持し、国際的な研究や若い科学者を支援するために、これらの移行措置の推進に取り組む。しかし、国家レベルでの対策では、Horizon Europeの様々な要素を完全に置き換えることはできない。従って、SNSFは、スイスが迅速かつ完全にHorizon Europeに加盟することを強く支持するものである。

[DW編集局+JSTパリ事務所]