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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2021/09/08
- 抄訳記事公開日:
- 2021/10/25
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EUのオープンサイエンスの積極的な勢いを確認する新しい報告
- 本文:
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2021年9月8日付の欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
欧州委員会は、Horizon 2020 のオープンアクセス義務を監視する調査の結果とデータセットを発表した。
欧州委員会は、Horizon 2020 のオープンアクセス要件のすべての側面を監視し、(オープンサイエンスに関してより厳格で包括的な一連の権利と義務を定めている) Horizon Europe のために、それを最適に行う方法を伝えるための、プロセスと信頼性の高い測定基準についてのアドバイスを求めた。
この調査の主な結果は、オープンサイエンス政策における欧州委員会の初期のリーダーシップが功を奏したことを示している。Horizon 2020 の「卓越した科学」(Excellent Science)の柱が、オープンアクセス率86%という成功ストーリーをリードしてきた。この柱のリーダーの中には、欧州研究会議(ERC)や未来新興技術(FET)プログラムがあり、オープンアクセス率は88%を超えている。
その他判明した興味深い事実として次のものがある。
- 出版費用(APC)については、この調査では、Horizon 2020におけるオープンアクセス論文の平均出版費用は約2,200ユーロと見積もられている。「ハイブリッド」ジャーナルに掲載された論文のAPC(Horizon Europeでは対象外となるコスト)の平均コストは2,600ユーロと高くなっている。
- オープンアクセス出版物をリポジトリに寄託することに関するコンプライアンスは(ジャーナルを通じてオープンアクセスを出版する場合でも)比較的高く(81.9%)、寄託に関する現在の方針が研究者に十分に理解され、実施されていることを示している。
- ライセンスに関しては、Horizon 2020の出版物の49%がクリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスを利用して発行され、再利用(さまざまなレベルの制限がある)が許可されている。一方33%がテキスト・アンド・データマイニング(TDM)に制限を課す出版社固有のライセンスを使用している。
- 機関リポジトリは、出版物への「公正な」アクセスを提供し、必要な変更を組み込むために内部プロセスとメタデータを修正するという課題に満足のいく方法で対応してきた。寄託された出版物の95%は、メタデータにある種の永続的識別子(PID)を含んでいる。
- リポジトリ内のデータセットはコンプライアンスレベルが低く、Horizon 2020の寄託されたデータセットの約39%だけが検索可能であり(メタデータにはデータファイルへのPIDとURLが含まれている)、寄託されたデータセットの約32%だけがアクセス可能である(データファイルは、メタデータのURLリンクを使用して引き出すことができる)。Horizon Europeによって、よい良い結果を達成することが期待されている。
- この調査では、既存の Horizon 2020 オープンアクセス監視データに欠陥があり、コンプライアンスの評価がさらに困難になっていることも確認された。受益者による自己申告もまた、多くの問題を浮き彫りにした。
[DW編集局]