[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2021/08/09
抄訳記事公開日:
2021/10/20

フランスは、第6次IPCC評価報告書第1巻の発行を歓迎

La France salue la publication du premier volume du 6e rapport d'évaluation du GIEC

本文:

2021年8月9日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の調査結果は憂慮すべきものである。世界の気温上昇はさらに加速しており、2021~2040年の間に産業革命以前の時代からのしきい値である1.5°Cの温度上昇を超える可能性が非常に高い。地球温暖化を2°C、さらには1.5°C未満に抑えて安定させるべく、IPCCは、CO2排出量を迅速に削減し、2050年頃に正味CO2排出量をゼロを達成し、その他の温室効果ガスの排出量を大幅に削減する必要があることを再確認している。

この報告書は、温室効果ガスの排出を制限し、気候変動によって避けられなくなった特定の影響に備えるべく、パリ協定の枠組みの中で、国際的および国内レベルで行動し続けるフランスの意志を強化するものである。

特にフランスの積極的行動の下で、欧州連合(EU)は2050年カーボン・ニュートラル目標を採択し、1990年と比較して2030年までに純排出量を少なくとも55%に削減することを目標にすることで、目標の引き上げを行った。欧州委員会は7月14日に、この目標を実行に移すための一連の立法案を発表した。

国内レベルでは、「市民気候会議」による作業の成果である気候・レジリエンス法により、輸送、住宅の改修、さらには人工化対策に関する新たな措置を策定する。これらはこの5年間にすでに実施された措置とともに我々の目的達成に貢献する。

政府はまた、第2次国家気候変動適応計画を通じて、市民を保護し、経済のすべての部門を将来の気候条件に適応させると同時に、その強靭性を向上させるべく、必要な施策を実施する。

このIPCC報告書は、地球温暖化とその影響を抑制するために、すべての国、地域社会、市民社会、企業、NGOにとっての羅針盤となるパリ協定の完全実施に必要なすべての措置を講じることの真の緊急性を改めて思い起こさせる。

11月にグラスゴーで開催されるCOP26は、温室効果ガス排出量の削減という観点から世界的な目標を高めるための重要な会議である。フランスの外交当局は、COP26議長国である英国と全面的に共同歩調を取り、2020年12月にEUが行ったように、国の気候目標を引き上げて実施するよう、まだ行っていないすべての国に呼びかける。

研究には気候変動に関連する現象についての知識を深める義務があり、高等教育には、生態系の移行の課題と持続可能な開発の目的について、意識を高め、すべての学生を教育するという任務がある。

[DW編集局+JSTパリ事務所]