[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構
元記事公開日:
2021/10/20
抄訳記事公開日:
2021/12/22

ネットゼロ目標を満たすための未来の農業技術に対する政府ファンディング

Government funding for future farm tech to meet net zero goals

本文:

2021年10月20日付英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

ロボットに作物を収穫させるのか。農薬の代わりにレーザーを使用するのか。農作物の肥料には、昆虫から作られた製品を使うのか。これらは、英国政府の「農業イノベーション経路」コンペティションに採択されて資金援助を受ける最新プロジェクトが示唆する興味深い将来像である。このコンペティションは、UKRI の食品生産の変革(TFP)チャレンジと、環境・食糧・農村地域省(Defra)の農業イノベーション・プログラム(FIP)との間のパートナーシップである。

● 採択プロジェクトの概要

総額1,450万ポンドのファンディングをシェアする採択プロジェクトには例えば次のものがある。

・Antobot
チェルムズフォードを拠点とする Antobot は、人工知能(AI)を利用して、作物に関する様々なデータと収穫見通しを提供し、農家が収穫量を最大化できるようにするための、果実探索ロボットを開発している。

・Inspro
サリーとケンブリッジシャーに拠点を置くInspro は、アメリカミズアブを活用する確立されたバイオ変換プロセスを使用して、革新的な分散型「ハブアンドスポーク」方式ビジネスモデルで、食品廃棄物からタンパク質が豊富な動物飼料を生産する。

・Muddy Machines
ロンドンに拠点を置く MuddyMachines は、Barfoots of Botley(Bognor Regis)と協力して、茎ブロッコリーを収穫するロボット技術開発の実現可能性を研究し、農業労働力の潜在的な不足を緩和するのに役立てる。

・Microbiotech
パーショアに拠点を置く Microbiotech は、泥炭をコイア(低炭素代替品)に由来する植栽材料に置き換えて、キノコやサラダ野菜を栽培することを目指す生産者、科学者、エンジニアからなるコンソーシアムを主導している。

・Tozer seeds
サリーに拠点を置くTozer seeds と英国全土からのその共同研究者たちは、レーザーと生物活性化合物を使用して野菜の種子を処理する農薬の代替品を開発する。

● 研究開発ファンディング

Defra はまた、このほど新たなファンディング・プログラムを発表し、研究開発を通じて、農民、生産者、林業家、その他企業のイノベーションを支援する。

Defraは、UKRI と提携して、業界主導の研究開発(R&D)パートナーシップ基金を通じて1,750万ポンドを研究開発に利用できるようにしている。これは、農業イノベーションプログラム(FIP)で開始された3つのうちの最初のものである。

このプログラムは、イングランドの農業・園芸セクターの生産性と環境の持続可能性を高めるための野心的な研究開発プロジェクトを支援すると同時に、そのネットゼロ目標の達成を支援する。

[DW編集局]