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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2021/11/10
- 抄訳記事公開日:
- 2022/01/19
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デジタル移行の推進にデジタル・ヨーロッパプログラムから約20億ユーロを投資
- 本文:
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2021年11月10日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
欧州委員会は、「デジタル・ヨーロッパプログラム」の3つのワークプログラムを採択し、その目的と合計19億8,000万ユーロのファンディングを受ける特定トピック領域を概説している。この最初の一連のワークプログラムには、この10年間を欧州のデジタルの10年にするという欧州委員会の目標の実現に役立つ戦略的投資が含まれている。デジタル・ヨーロッパプログラムは、欧州の技術主権を強化し、市民、行政、企業の利益のためにデジタル・ソリューションを市場に投入することを目的としている。
13億8,000万ユーロ相当の主要ワークプログラムでは、2022年末まで、人工知能(AI)、クラウド・データスペース、量子通信インフラ、高度なデジタルスキル、経済・社会全体でのデジタル技術の幅広い活用といった領域への投資に焦点を当てる。
この主要ワークプログラムに加えて、欧州委員会は2つの特定ワークプログラムを発表した。第1のプログラムはサイバーセキュリティの領域でのファンディングに焦点を当てており、2022年末までの予算は2億6,900万ユーロである。第2は、2023年末まで、3億2,900万ユーロの予算で、「欧州デジタル・イノベーションハブ」のネットワーク構築と運用に焦点を当てている。
デジタル・ヨーロッパプログラムの主要ワークプログラムには、次のような投資が含まれる。
・ 中小企業(SME)やスタートアップ企業を含む企業、および公共セクターの境界を越えたデータ共有を促進する共通データスペース(製造、モビリティ、金融用のデータスペースなど)の展開。また、クラウドからエッジへの連合インフラサービス(つまり、安全なデータフローを保証するデジタルソリューションのバックボーン)の展開。
・ 信頼できるAIの活用(中小企業やスタートアップ企業による活用を含む)を促進して主要な社会的課題に対応するためのAIベースのソリューションの試験・実験施設の構築。これには気候変動や持続可能なヘルスケアが含まれる(例:保健、スマートシティやコミュニティ向けのAIテスト施設の展開)。
・ サイバー攻撃に対して高い強靭性を提供するEU向けの安全な量子通信インフラ(EuroQCI)の展開。
・ 2020年の「スキル・アジェンダと中小企業戦略」で発表された、「中小企業向けのデジタルクラッシュコース」などの施策を含む、欧州のデジタルスキルを向上させるための主要な高度デジタル技術修士コースの設置および提供。
・ 行政を支援するソリューションの国境を越えた相互運用性を支援するデジタルサービスのセットアップ、運用、(進化・継続する)メンテナンス(例:欧州デジタルID)。サイバーセキュリティに関するワークプログラムでは、高度なサイバーセキュリティ機器、ツール、データ・インフラの構築に投資予定である。サイバーセキュリティに関連する知識・スキルの開発および最適な活用を資金支援し、ベストプラクティスの共有を促進し、欧州経済全体に亘って最先端のサイバーセキュリティソリューションを幅広く展開することを確保する。
デジタル・ヨーロッパプログラムは、その目的達成を支援するべく、技術試験へのアクセスを提供する「欧州デジタル・イノベーションハブ」のネットワークを展開し、国、地域、地方レベルの政府を含む欧州全体の官民組織のデジタル変革を適宜支援する。欧州のデジタル・イノベーションハブは、EUの政策、特に産業政策と中小企業・スタートアップ企業向けの政策において重要なツールとなり、グリーン移行およびデジタル移行の両移行において企業と公共セクターを支援する。
[DW編集局]