[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2021/11/03
抄訳記事公開日:
2022/01/31

NASEMが公衆衛生緊急医療対策事業(PHEMCE)の再定義を提案

HHS’s Medical Countermeasures Enterprise Should Be Re-envisioned Post-COVID-19

本文:

2021年11月3日付けの米国科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NASEMの新しい報告書は、米国の公衆衛生緊急医療対策体制(PHEMCE)は、バイオテロ攻撃、パンデミック、新興感染症などの将来の脅威から、国家をより適切に防衛するために再定義されるべきである、と述べている。さらにPHEMCEの改善に向けた4つの優先事項、すなわち、ミッションの再定義、オペレーションとプロセスの見直し、連邦政府以外のパートナーとの協力強化、PHEMCEの目標を妨げてきた法的・政策的問題の克服をあげた。

公衆衛生上の緊急事態への対応には、多くの政府機関や民間の利害関係者が関与しており、これらの機関が業務を遂行するためには、適切な組織と設備を備えていなければならない。この機能を果たすために、米国保健福祉省事前準備・対応担当次官補局(ASPR)が主導し、複数の連邦機関で構成されるPHEMCEが設置された。PHEMCEは、公衆衛生上の緊急事態の際に、抗生物質、抗ウイルス剤、ワクチン、個人用保護具など、人命救助に必要な医療対策(MCM)への、国家のアクセスの確保を任務としている。

本報告書は、PHEMCE がその重要な使命を果たし、多様な利害関係者の信頼されるパートナーとしての役割を果たす能力を向上させるための一連の提言を概説している。具体的な改善事項は以下のとおり。

  • PHEMCEは、連邦政府以外のパートナーからなる諮問委員会を設置し、彼らの専門知識を活用するとともに、活動の透明性を確保すべきである。
  • PHEMCEは、適切な成果指標を使用し、公衆衛生上の緊急事態に対する準備と対応の能力を厳密かつ定期的に試験・評価する必要がある。
  • PHEMCEは、COVID-19などの公衆衛生上の緊急事態から学んだ国家戦略備蓄特有の教訓について、証拠に基づく根本原因の評価を行うべきである。
  • PHEMCEは感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、Gaviワクチンアライアンス、国連児童基金(UNICEF)、米国赤十字などのグローバルな組織との連携を拡大すべきである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]