[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国航空宇宙局(NASA)
元記事公開日:
2021/11/10
抄訳記事公開日:
2022/02/02

NASAがアルテミス月探査計画の課題と進捗状況を報告

NASA Outlines Challenges, Progress for Artemis Moon Missions

本文:

2021年11月10日付けの米国航空宇宙局(NASA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

バイデン政権下で行われた初のアルテミス(Artemis)月探査計画の進捗報告会で、NASA幹部はアルテミス計画の課題と進捗状況を説明し、月探査と火星への宇宙飛行士の派遣に対する長期的なコミットメントを改めて表明した。これは、NASAが有人月着陸船の開発・実証業務の委託先にスペースX社を選定したこと支持する判事の判断があったことをうけたものである。
(訳注:スペースX社の選定に関して、宇宙開発企業のブルーオリジン社がNASAに対する連邦訴訟を起こしていた)

NASAのネルソン長官は、「米国連邦請求裁判所が、NASAの有人着陸システム(HLS)の委託先選定プロセスを評価したことに満足しており、すでにスペースX社との対話を再開している。できるだけ早く安全に再び月を目指すことは、NASAの優先事項であるが、訴訟やその他の要因により、アルテミス計画による有人着陸は2025年よりも早くなることはない」と述べた。

NASAは有人着陸に先立ち、アルテミスI(無人飛行)とアルテミスII(有人月周回飛行テスト)に注力し、オリオン宇宙船の開発費は、2012年度から2024年5月までの間に行われる最初の有人飛行テストまで、93億ドルであると発表した。 アルテミスI・II、およびスペースX社と共同で行う無人着陸機の実証ミッションの後、アルテミスIII(有人月面着陸ミッション)が行われる。

またNASAはコスト削減や業務効率化を進めており、スペース・ローンチ・システム(SLS)事業を最大限に効率化するために、産業界に情報提供を求めている。また、国際宇宙ステーションやアルテミス計画のミッションのために、宇宙服の製作や宇宙遊泳サービスの提供を産業界に依頼している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]