[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/07/30
抄訳記事公開日:
2014/08/29

月の中心付近には熱く、軟らかい層が存在

研究表明月球之“心”仍然温暖

本文:

2014年07月30日付の「中国科学報」ネット版は、月の中心付近には熱く、軟らかい層が存在すると報じた。本記事ではその概要をまとめる。

このほど、国際協力研究チームは、嫦娥1号等の月探査データを分析し、月の中心部で現在も一定の潮汐と加熱が生じており、今も熱を持ち続けていることを発見した。同研究成果が英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に掲載された。

中国地質大学(武漢)、武漢大学、中国科学院国家天文台、日本国立天文台等の研究者によって構成された研究チームは、月の動力学形状の変化を精密に測定し、理論と推算により、月のマントルの最下部に軟らかい層が存在すると仮定し、観測されている潮汐による月の変形を上手く解釈できることを突き止めた。

過去の研究で、月のマントルの最も深い所では岩石の一部が溶けているという可能性が指摘されてきた。部分的に溶けた岩石は軟らかくなるため、研究結果はその仮説を支持する。このほか研究チームは、マントル最深部の軟らかい層の中で潮汐によって効率的な発熱が起こっていることも明らかにした。

同研究チームは、マントル最深部の効率的に発熱する軟らかい層が核を包むようにして存在していることから、現在でも核を温め続けていると考えている。これまでも、このような軟らかい層が核を効率的に温めていたのではないか、と予想されていた。

[JST北京事務所]