[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防総省(DOD)
元記事公開日:
2022/02/01
抄訳記事公開日:
2022/04/18

DOD研究技術担当次官の戦略的ビジョンと重要技術分野

USD(R&E) Strategic Vision and Critical Technology Areas

本文:

2022年2月1日付の国防総省(DOD)による標記記事の概要は以下のとおりである。

DOD研究技術担当次官室(OUSD(R&E))は、2022年国家防衛戦略(NDS)に基づき、ミッション重視、基盤の構築、チームワークによる成功という3つの戦略的柱で構成される「DOD国防科学技術戦略」を主導する。本戦略は、技術的優位性を求めるグローバルな競争の中で、米軍が技術的優位を強化するための道筋を示すものである。

米国は競争に強い一方で、協力も得意としている。戦闘員が直面する課題は、政府、国防産業、学界、連邦政府資金による研究開発センター(FFRDC)、大学付属研究センター(UARC)、中小企業、新規参入者、新興企業、国際パートナー、そしてさらには競合他社との協力によって、解決することができる。

技術戦略は、次の3つの柱によって支えられている。

① ミッション重視:米国が持つ驚異的な技術イノベーションの潜在力を活用して、DODの作戦、技術、任務に特化した難題を解決する。 OUSD(R&E)は、ミッションに沿った技術の追求と、飛躍的な能力を提供できる新興科学における研究開発の必要性のバランスをとる。

② 基盤構築:近代的な研究所や試験施設で働く、強力で有能な将来の技術的な労働力を惹きつけ、育成するための基盤を構築する。OUSD(R&E)は、イノベーションとリスクテイクを奨励する政策を通じて、成功のための障壁を取り除く。

③ チームワークで成功する:業界から大学、研究所、同盟国、パートナーに至るまで、より大きなイノベーションエコシステムと提携することで、非対称的な優位性を最大化する。DODは、全米の技術エコシステム全体と、その同盟国やパートナーとの関係を拡大し、軍が必要とする独自の能力に開発資源を集中させ、最高の商用デュアルユース技術を迅速に採用する必要がある。

OUSD(R&E)は軍、産業界、学界等と緊密に協力し、国家安全保障上の重要課題に対応した科学技術戦略を確保するため、14の重要技術分野を3つのカテゴリーに分類している。

1.シード領域(Seed Areas of Emerging Opportunity)
バイオテクノロジー、量子科学、次世代無線通信、先端材料

2.効果的導入領域(Effective Adoption Areas)
信頼されるAI・自律、統合ネットワークシステム・オブ・システムズ(SoS)、マイクロエレクトロニクス、宇宙技術、再生可能エネルギー生産・貯蔵、先端コンピューティング・ソフトウェア、ヒューマンマシンインターフェイス

3.国防固有領域(Defense-Specific Areas)
指向性エネルギー、極超音速、統合センシング・サイバー

[DW編集局+JSTワシントン事務所]