2022年3月7日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり。

欧州委員会、欧州投資銀行（EIB）、欧州投資基金（EIF）は、欧州全体の投資プロジェクトを支援するための196.5億ユーロのEU予算保証に関する協定に署名した。

・ InvestEU プログラムに基づく投資は、次の4つの政策領域に焦点を当てる。① 持続可能なインフラ、② 研究・イノベーション・デジタル化、③ 中小企業、④ 社会的投資とスキル
・ 欧州委員会とEIBは、同じ政策領域における市場開発、スキル開発、プロジェクトレベルの助言サービスに最大2億7,000万ユーロを提供する InvestEU 助言ハブ協定にも署名した。
・ 上記協定は、欧州のパンデミック後の復興とグリーン・デジタルへの移行を支援する新規投資および関連する助言支援への道を開く。

EUはこのほど、欧州委員会、EIB、EIFの間の保証および助言ハブ協定の署名により、InvestEU プログラムの実施において主要な節目に到達した。InvestEU プログラムは、COVID-19のパンデミックから復興し、より環境に優しく、よりデジタルで、より回復力のある欧州経済の構築を支援する、EU史上最大の刺激策の重要な柱である。また、世界経済と安全保障の見通しに関連する主要な不確実性から生じる新たな課題に対処する上で、欧州経済を支援することもできる。

InvestEU は、InvestEU 基金、InvestEU 助言ハブ、InvestEU ポータルの3つのコンポーネントで構成されている。InvestEU プログラムは、金融・投資業務を支援するべく262億ユーロのEU予算保証を提供することにより、2027年までに少なくとも3,720億ユーロの追加投資を動員し、欧州全域の人々と企業に利益をもたらすことを目的とした官・民の資金支援を呼び込む。大量の投資を確保するだけでなく、目標とする政策目標に最大の効果を与える投資ファンディングを可能にすることに焦点を当てる。

EIBグループ（EIBとEIFで構成）は、EU予算保証の75%（196.5億ユーロ）と、InvestEU 助言ハブの下での助言予算の同じシェアを実装する。主要な実施パートナーであるEIBとEIFに加えて、欧州で活動する国際金融機関と各国内の振興銀行は、投資とプロジェクト計画を支援するために保証の一部（合計25%）を使用することができる。

最初の InvestEU プロジェクトは、投資委員会に提出された後、4月に InvestEU 保証を受ける予定である。

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■欧州戦略投資基金（EFSI）の成功に基づく InvestEU 基金

InvestEU 基金は、EUに重要な長期ファンディングを提供し、多数の民間投資を喚起する。このほど署名された保証協定は、EU予算保証を付与するための規則、およびEIBとEIFによるその実施のための規則を定めている。EUの予算保証の恩恵を受ける事業は、持続可能性、科学的卓越性、社会的包摂におけるEUの目標を支援するべく、4つの政策領域への投資に資金を提供する。（① 持続可能なインフラ、② 研究・イノベーション・デジタル化、③ 中小企業（SME）、④ 社会的投資とスキル。）投資全体の少なくとも30%は、欧州のグリーン移行を直接支援する領域で実施される。

InvestEU プログラムは、欧州投資計画とその欧州戦略投資基金（EFSI）の成功モデルに基づいている。これは、以前の複数年次財政枠組（MFF）で利用可能な13のEU資金支援手段を1つの統合された資金支援手段に組み合わせ、EFSI よりも幅広い政策領域をカバーしている。EFSI 貸付の効果は甚大である。EFSI は限度を超えて実施され、これまでに5,465億ユーロの投資を動員し、140万を超える中小企業に利益をもたらしている。

■InvestEU 助言ハブ、プロジェクトの資金支援段階到達を支援

欧州投資助言ハブおよびその他の助言プログラムの成功に基づいて、EIBと欧州委員会は、InvestEU 助言ハブの下で、プロジェクト推進者、地域および国の当局、金融仲介機関に技術的、資金的、戦略的専門知識を提供するための協定にも署名した。欧州委員会が管理し、EIBを主要な助言パートナーとして連携する助言ハブは、EIBグループ全体のノウハウを活用して、資金的および技術的支援の需要に対し効率的なアクセスポイントを提供する。

助言ハブは、InvestEU の4つの政策領域すべてにわたって機能し、とりわけ、EU全体でのInvestEU 保証付き投資プロジェクトおよび投資プラットフォームの特定、準備、実装において、官・民セクターの推進者を支援する。

[DW編集局]