2022年4月7日付、北大西洋条約機構（NATO）の標記発表の概要は以下のとおり。

NATO 同盟国は、同盟の技術的優位性を高めるべく画期的なイニシアティブを開始する。2022年4月7日、同盟国の外相は「北大西洋防衛イノベーションアクセラレータ」（DIANA）の設立を承認した。

「同盟国は、民間セクターや学界と協力して、欧米の安全保障に最高の新技術を利用できるようにする」と、NATO事務局長は述べている。

■DIANA の概要

DIANA は、同盟の最優秀のスタートアップ、科学研究者、技術企業と一体化した防衛人材を動員して、重要な防衛・安全保障の課題解決に当たる。DIANAプログラムに参加するイノベータは、20を超える同盟国にまたがる数十のアクセラレータ拠点とテストセンターのネットワークにアクセスできる。NATOの指導者たちは、DIANAが欧州と北米に地域事務所を持つことに同意した。DIANAの欧州地域事務所は、エストニアと英国の共同入札により選ばれ、カナダは北米地域事務所の受け入れを積極的に検討している。

DIANAは、人工知能（AI）、ビッグデータ処理、量子技術、自律機能、バイオテクノロジー、新材料、宇宙など、NATOが優先事項として特定した新たな破壊的技術である「ディープテック」に集中する。

■イノベーション基金

同盟国はまた、多国籍NATOイノベーション基金の枠組みに合意した。これは世界初の複数主権国によるベンチャーキャピタル・ファンドである。戦略目標に沿った初期段階の新興企業やその他のディープテック・ファンドに10億ユーロを投資する。

[DW編集局]