2022年1月12日付、科学技術政策研究院（STEPI）の標記記事の概要は以下のとおりである。

科学技術政策研究院（STEPI）がSTEPI Outlook 2022を発表した。同書は変化する韓国内外の環境を検討し、国家科学技術イノベーション（STI）政策を部門別に展望している。また、科学技術イノベーション政策についてのアンケート調査を行い、主要政策に対する専門研究者の評価をまとめている。

「科学技術イノベーション政策に対するSTEPI 13の展望」は、イノベーションシステム5部門、未来イノベーション5部門、グローバルイノベーション3部門で構成されている。「ミッション志向型イノベーション政策の展望」は、国家課題に対応するためにミッション志向型イノベーション政策が必要であることを示している。そして、そのために国家課題、任務、戦略を検討するミッション委員会の設立、科学技術領域と人文社会領域の連携、多領域（R&D、サービス、規制、インフラなど）統合戦略の樹立、さまざまな主体が参加する意思決定プロセスの構築、省庁間の連携の強化などが必要であることが述べられている。

「国家イノベーション成長政策の展望」は、科学記述が先導する経済・社会イノベーション成長の方向性を示している。具体的には、将来的な雇用確保のための国家R&D投資の戦略的強化、地域主導型イノベーション成長の投資方針の設定、生活問題の解決のための参加型R&D事業の拡大、共生のための科学技術の役割および方針の設定などが提示された。

「科学技術外交政策の展望」では、国家安保を構築可能な水準の科学技術イノベーション外交が必要であることが強調された。そのために、コントロールタワーを備えたメタガバナンス方式の推進体系の整備、科学技術イノベーション外交法の制定、省庁横断的に戦略と政策を調整するハイレベルの科学技術イノベーション外交秘書官の設置、国内外の専門研究者集団との協力的ネットワークの構築などが必要であることが示された。

一般人と専門研究者を対象とするアンケート調査「科学技術イノベーション政策に対する国民の考え」では、まず「科学技術の発展を通じて希望する国家像」についての一般国民の認識が2020年の「より安全な国」（40.57％）から2021年の「より豊かな国」（37％）に変化した点が目についた。また、「現在韓国が解決すべき最も重要な問題」について、一般人は「所得、地域、世代間の対立とニ極化」（25％）を、専門研究者は「新しい成長エンジン」（42.64％）を挙げ、「科学技術発展のために政府がより集中すべき政策分野」について、一般人は「基礎および基盤技術研究支援」（35.88％）、専門家は「科学技術人材育成および活用」（37.6％）を選択した。「韓国が科学技術先進国だと考えるか」という問いに対しては、一般人の78％、専門研究者の84.5％が「そう思う」と答えたが、中でも「科学技術先進国の最も重要な要素は何か」という問いに対して「高級科学技術人材の確保」を挙げた点が注目される（一般人：33.13％、専門家38.37％）。

[DW編集局]