[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2022/03/11
抄訳記事公開日:
2022/05/16

OSTPが北極圏研究の成果報告書を発表

OSTP Releases New Report to Advance Understanding of a Changing Arctic

本文:

(2022年3月11日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記記事の概要は以下のとおり)

大統領府科学技術政策局(OSTP)は、「2017-2021年北極圏研究計画(2017-2021 Arctic Research Plan)」下で達成された研究およびコラボレーションに関する報告書を発表した。本報告書は、北極圏における前例のない近年の変化を概説しており、北極圏研究政策省庁間委員会(IARPC)の連邦議会への2年ごとの報告書として機能している。IARPC は国立科学財団(NSF)長官が議長を務め、米国連邦政府内の 18 機関からリーダーが集まり、北極圏研究を強化するために活動している。

過去5年間にわたり、米国連邦政府機関、研究者、世界中のコミュニティは「北極圏研究計画」のもと、北極圏の変動を追跡・理解するために協力してきた。同計画は、「IARPC Collaborations」というウェブサイトを利用しながら、16の連邦省庁を結集させて、北極での取組みを調整し拡大してきた。合計12のコラボレーション・チーム(資金提供機関、北極圏研究者、住民からなる実践コミュニティ)は、計画で定められた122の取組みのために協力した。

本報告書では、「コラボレーション」、「観測」、「モデリングと予測」「人間ニーズへの研究応用」の4つの分野における成果を取り上げている。

主なプロジェクト成果事例は次のとおり。

▽研究者と北極圏住民の協力は、変化する環境が有害な藻類の異常発生の強度と分布にどのように影響するかについて、将来の観測、モデル、予測、および研究が知見を得るための方向性を特定することに役立った。

▽NGEE Arctic(北極圏における次世代生態系実験)やNASAのABoVEキャンペーンなどのプログラムは、フィールド観測、実験、データ合成を組み合わせて、将来の永久凍土層の融解をより適切にモデル化した。

▽モデルと予測では、数十年から数世紀にわたり気候がどのようになるか、そしてそれらの変化が人類や生態系にどのように影響するかについて検討した。 たとえば、氷床モデル相互比較プロジェクトは、2100年までにグリーンランド氷床から失われる氷の量の推定値を提供した。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]