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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
- 元記事公開日:
- 2022/05/11
- 抄訳記事公開日:
- 2022/07/04
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2022年女王演説に示されたBEISの優先課題
- 本文:
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(2022年5月11日付、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の標記発表の概要は以下のとおり)
標記女王演説は、本国会会期における政府の立法議題を示し、英国国民の優先課題に焦点を当てる政府の取り組みと、生活費を主眼に置いた政府の経済成長策を示している。これには、持続可能な国産のエネルギーシステムの構築、消費者の権利の強化、違法な金融への対処、経済犯罪の削減、企業の成長支援などが含まれている。
■より安全、安価、クリーンな国産エネルギー供給への移行を加速
英国は、新しいクリーンエネルギー技術の最前線にいる。過去12年間で、英国は、900億ポンドの投資の結果として、電力網に接続された再生可能電力容量を500%増加させた。これは英国の歴史上他のどの政府よりも大きな容量増である。英国のエネルギー安全保障戦略では、再生可能エネルギーと低炭素技術に基づく国産エネルギーシステムにより、不安定な世界のガス価格に翻弄される恐れを長期的に減らすべく、これをさらに加速する計画を打ち出している。
エネルギー安全保障法案は、それを行うという政府の公約を実現し、将来に適した、よりクリーンで安価なエネルギーシステムへの移行を推進するための法的措置を導入するものである。また、エネルギー価格上限規制の2023年以降の延長も可能になる。
政府は、炭素の回収・利用・貯蔵(CCUS)、低炭素水素などの新技術に着手する予定である。このような低炭素技術は、産業からの排出量を削減し、風が吹いていないときや太陽が輝いていないときに電力を供給することで、ネットゼロの達成に役立つ。
最先端のビジネスモデルを導入することにより、政府は10GWの水素経済と新たなCCUS産業の成長を支援し、2030年までに英国全体で数万の雇用を創出すると同時に、工業地域の経済変革を支援し、投資家に確実性を提示する。
この法律ではまた、英国のエネルギーシステム全体を検討し、既存のネットワークを水素などの新技術と統合する、「将来システムオペレーター(Future System Operator)」を新設する。
本法案はまた、投資とイノベーションを促進するために、英国の陸上電力網に競争を導入する。これにより、消費者は、今後10年間に入札されたプロジェクトにより2050年までに最大10億ポンドの節約を実現することができる。
■英国のデータ保護体制の改革
政府は、Brexitのメリットを活用して世界クラスのデータ権制度を構築し、それによって新たな成長促進型の信頼性のある英国のデータ保護枠組みを構築できるようにしたいと考えている。この枠組みは、企業の負担を軽減し、経済を活性化し、科学者のイノベーションを支援し、英国国民の生活を向上させる。
[DW編集局]