[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学アカデミー(NAS)
元記事公開日:
2014/07/31
抄訳記事公開日:
2014/09/12

化学研究室における強力かつ積極的な安全文化の形成には、研究機関内部のすべてのレベルからの支援が必要

Strong, Positive Safety Culture in Chemical Labs Requires Support From All Levels Within Research Institutions

本文:

全米科学アカデミー(NAS)の2014年7月31日標記記事の概要は以下のとおり。

全米研究会議(NRC)の最近の報告書は、研究者や研究責任者から大学の上層部に至るまで大学の化学研究事業に関与する者にはすべて、強力かつ積極的な安全文化の確立・推進に果たす重要な役割がある、と述べている。報告書では安全に対する組織全体での定常的な取り組みを要求しており、単に一連の規則に準拠したり、そのような規則に従わない場合に責任の所在を明らかにすることよりも、むしろ問題を特定して解決することの方を強調している。

化学品の危険有害性は、生物科学、医学部、工学系学科、技術工房など多くの学術分野・環境に見られる。米国の大学の研究室における最近の深刻かつ一部致命的な事故が、政府機関、専門団体、産業界そして大学自身に、化学研究の安全性の問題の再検討を促すことになった。

大学側の研究室の安全対策に対する準備態勢や取り組みは組織によって様々である。大学には大きく5つのグループがあり、それぞれに強力な安全文化をサポートする場合の手順がある。

・学長、総長等
・研究担当副学長、学部長
・研究責任者、学科長
・研究者
・環境衛生・安全管理スタッフ

報告書はまた、安全管理の実践を牽引する組織的活動の改善に加えて、各研究室は危険有害性を特定して緩和することに役立つ分析を実行する必要があると述べている。災害を起こす前に危険を特定する重要な方法の1つは、ニアミス(一連の安全でない状況や行動が損害や不都合な結果を招く可能性のある状況)に関するデータを収集し報告することであるが、それが行われていない。

[DW編集局]