[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2022/07/21
抄訳記事公開日:
2022/08/10

ANR、2021年の活動報告書発行 予算増額の初年で「大きな礎」

L’Agence nationale de la recherche publie son rapport d’activité 2021

本文:

 フランス国立研究機構(ANR)が2021年の「活動報告書」を発行した。同年は、30年までの国の研究関係予算を一括して可決した「複数年研究予算法」の初年であるとともに、国の5か年計画「フランス2030」スタートの年でもある。

 「2021年はANRにとって大きな礎をなす年だ。予算の増額で科学関係のコミュニティを守り育てる新たな見通しを得た」。ANRトップのティエリー・ダメルバル氏はこう振り返る。

 ANR関係の予算は、「複数年法」と国の緊急経済対策「フランス・ルランス(復興計画)」によって大幅に増やされた。この結果、2020年には579件だった支援プロジェクト数が、2021年には2,291件になった。さらに成功率は23.1%で、うち22.7%は一般公募だった。また間接経費(オーバーヘッド)は2020年に19%だったのが、21年には25%に増加し、1億ユーロを超え、計1.63億ユーロ割り当てられた。パートナー研究も増加した。

 またANRは「科学技術とものづくりの教養」(CSTI)を促して支援するとともに、公募窓口を一本化することで科学関係コミュニティの支援強化に努めた。加えて2021~25年の事業計画を採択して国との関係を刷新したこと、さらに官民共同のプロジェクト投資「未来投資プログラム」(PIA)を深化させる国の5か年計画「フランス2030」も始まったことなどで、2021年は特筆すべき年となった。

 活動報告書はANRの同年のこうした主要な出来事を示し、他機関との連携状況、財政面での支援状況、その振り返りなどを載せるとともに、提携機関として、ブルーノ・ボンネル首相府投資総務庁(SGPI)長官や、エマニュエル・シバ防衛イノベーション庁(AID)長官(編集局注:発行当時。シバ氏は7月末に異動)らのインタビューも掲載している。

[DW編集局]