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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 経済・財務省
- 元記事公開日:
- 2022/08/08
- 抄訳記事公開日:
- 2022/08/09
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2023年の「研究・高等教育費」最大15億ユーロ増額へ 政府予算案
- 本文:
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フランス政府は8日、2023年(フランスの予算執行は1~12月)の政府予算の「支出上限案」を発表し、高等教育・研究関係予算の上限値を、22年比で15億ユーロ増(5.1%増)となる、最大308億ユーロとすることを明らかにした。秋以降、議会で可否を審議することになる。
フランス政府の財政のうち、税金から支出するいわゆる一般会計には、日本の主要経費別分類に相当する「ミシオン」が33種類ある。このなかで「研究・高等教育」のミシオンは、21~30年の関係予算をまとめて規定した「複数年研究予算法」(LPR)の枠組みに沿って増額されることが決まっている。21年は285億ユーロ、22年は293億ユーロだった。今回の「支出上限案」は改めて「LPRの履行」を標榜するとともに、コロナ禍を契機に政府が行っていた奨学生支援の拡充や延長が目的であることも示している。
一般会計全体の上限値は、22年比142億ユーロ増(4.4%増)の最大3,390億ユーロである。このうち「研究・高等教育」以外で科学技術イノベーションが関係する主な予算としては、▽「初中等教育」のミシオンが同年比36億ユーロ増(6.5%増)の最大602億ユーロ、▽「防衛関係」のミシオンが同30億ユーロ増(7.3%増)の最大439億ユーロ、▽「労働・雇用対策」のミシオンが同67億ユーロ増(27.9%)の最大307億ユーロ――などとなっている。
一方、▽コロナ禍に伴う緊急経済対策「フランス・ルランス(復興計画)」のミシオンは同86億ユーロ減(66.2%減)の最大44億ユーロと、役割を徐々に終えつつあることが鮮明になったほか、▽公募プロジェクトを支援する未来投資プログラム(PIA)の原資を含む「2030年への投資」(旧「未来投資」)ミシオンは同9億ユーロ減(12.9%減)の最大61億ユーロ――などとなった。ただし「環境やデジタル変革に関係する投資は続ける」とともに、ウクライナ危機などを念頭に「より自立性を強め、打たれ強い経済を作っていく」とも記述している。
なおこれらの数値は「総事業費」(Autorisation d’Engagement)としての規定であり、原案どおり議会で可決しても、実際に支払われる額とは異なることがある。
[DW編集局]