[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2022/08/04
抄訳記事公開日:
2022/09/09

再生可能エネルギー開発に向けたバイオマスプロジェクトに3,700 万ポンドを助成

Renewable energy innovation boosted by £37 million government funding across the UK

本文:

(2022年8月4日付、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の標記発表の概要は以下のとおり)

▽再生可能エネルギー源として使用できる持続可能なバイオマスの英国生産増強に 3,200 万ポンドを助成
▽さらにバイオマスと廃棄物から水素を生成する革新的技術の支援に500万ポンドを助成
▽バイオマスは、英国の高価な化石燃料への依存に終止符を打つために重要な役割を果たす

政府がバイオマスを含む国内の再生可能エネルギー拡大計画を推進する中、本日、英国各地の革新的なバイオマスプロジェクトが、3,700 万ポンドの助成を受けることが決まった。

英国のバイオマス生産拡大の新たな手法の発掘を目指す、「バイオマス原料イノベーションプログラム」のフェーズ2で、3,200万ポンドの助成を受ける12のプロジェクトの中には、以下のものが含まれる。
・Aberystwyth大学の、バイオマス利用に適したElephant grass(象草)成長促進プロジェクト
・SeaGrown社のノースヨークシャー沿岸沖での、バイオマス源及び炭素除去能を活用する為の海藻養殖
・Agri-Food and Biosciences Instituteの農家・土地管理者向け多年生エネルギー作物の作付選択最適化アプリの開発

また500万ポンドの助成で、バイオマスと廃棄物からクリーン燃料である水素を生成する革新的技術の開発を支援する、「水素 BECCS プログラム」の第1段階では、以下のものを含む22のプロジェクトが採択された。

・アバディーン大学の多様な廃棄物中に含まれる有機物からの水素生産
・リーズ大学のH2-Boostプロジェクト(運輸部門向けバイオ水素の生産)
・17Cicada社の微生物による水素生産

バイオマスは、バイオ燃料・航空燃料の生産、家庭用クリーニング製品やバイオプラスチック用の原料の生産に利用される。バイオマスが大規模に供給できることはすでに証明されており、2020年には英国の総電力の12.6%を発電し、国内発電増強によってエネルギー安全保障を強化する計画の重要な部分を担っている。

バイオマス原料イノベーションプログラム」のフェーズ2では、400 万ポンドの政府ファンディングによりプロジェクトの設計段階から支援され、最終実証実験まで至ったあかつきには低炭素エネルギー生産に用いられるバイオマス資源を栽培する新たな手法を提示してくれるだろう。これらのプロジェクトは、オーガニックなエネルギー原料となる植物の育種、植付、栽培、収穫の各段階を通じて、英国のバイオマス生産性を高める。

「水素BECCSプログラム」は、「BECCS」(バイオマスのエネルギー利用と二酸化炭素回収・貯留)による水素生産技術開発を支援する。BECCS 技術は、バイオマスの生育によるCO2吸収と、炭素回収技術によるCO2除去によって、大気中のCO2量を減らすものである。

[DW編集局]