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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2022/09/12
- 抄訳記事公開日:
- 2022/11/21
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バイデン大統領、「がん・ムーンショット」の進捗と新たな取り組みを発表
- 本文:
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(2022年9月12日付、大統領府による標記発表の概要は以下のとおり)
60年前の今日、ケネディ大統領は人類を月に送り、帰還させる「ムーンショット」を宣言した。本日、バイデン大統領は、もう一つのムーンショット、すなわち我々の知るがんを撲滅するという大胆なビジョンを説明する。
バイデン大統領は、この使命を果たすために政権が取る新たな行動とこれまでの進捗について、以下の発表を行う。
■医療高等研究計画局(ARPA-H)の初代長官任命
3 月、バイデン大統領は、米国政府の保健および生物医学の研究促進能力を向上させるため、ARPA-Hを創設した。本日、その初代局長として、レニー・ウェグリン博士(Dr. Renee Wegrzyn)を任命した。同博士は、ARPA-Hのモデルとなった2つの機関、国防高等研究計画局 (DARPA)およびインテリジェンス高等研究計画活動(IARPA)での職務経験を有する第一線の生物医学科学者であり、立ち上げ時の研究ポートフォリオと予算に関する戦略を実行する。同博士のリーダーシップの下、ARPA-Hは、アルツハイマー病、糖尿病、がんなど、最も複雑な病気を予防、発見、治療するために医学と保健の全領域を変革する可能性を持つ、分子レベルから社会レベルまでの課題に取り組むプログラムやプロジェクトを支援する。
■バイオテクノロジー・バイオ製造イニシアチブの立ち上げ
がんの撲滅に必要な最先端のバイオテクノロジーやイノベーションが、米国で開発・製造されることを確実にするため、国家バイオテクノロジー・バイオ製造イニシアチブ(National Biotechnology and Biomanufacturing Initiative)を立ち上げる。これにより生命を救い、雇用を創出し、より強固なサプライチェーンを構築し、世界的な混乱の時代にあっても家計の経済的負担を軽減させることができる。他の国々が、バイオテクノロジーソリューションとバイオ製品の世界の供給源となることを目指す中、このイニシアチブは、製造業の雇用を取り戻すというバイデン大統領の経済計画を後押しするものである。このイニシアチブは、公平性、倫理性、安全性、セキュリティの原則に根ざし、すべての国民と国際社会に利益をもたらし、米国の技術的リーダーシップと経済的競争力を維持することに貢献する。
■がん内閣(Cancer Cabinet)の進捗
7か月前、連邦政府のあらゆる手段を動員してがんを撲滅する、という大統領のビジョンを実現するために、史上初のがん内閣が結成され、2022年7月、以下のような優先的行動が発表された:
(1)診断ギャップの解消
(2)環境暴露の理解と対処
(3)予防可能ながんの影響低減
(4)最先端の研究成果の患者と社会への早期提供
(5)患者と介護者の支援その進捗は以下のとおり:
▽インフレ抑制法による、がん患者の処方箋薬の費用削減
▽国立がん研究所(NCI):複数がん検出に関する前衛的研究の立ち上げ
▽がん・ムーンショット奨学生プログラムの次世代がんイノベーターの募集開始
▽科学技術政策局(OSTP):連邦資金による研究成果の無料利用のための指針発行
▽国防総省:軍人の毒物曝露を理解するための研究プログラムを創設
▽NCI:がん医療改善のための遠隔医療中核研究拠点設立
▽国立標準技術研究所(NIST):新しいがん技術を提供するパートナーシップ拡大
▽国立衛生研究所(NIH)と農務省(USDA)によるデータ共有によるバイオエコシステムの拡張 [DW編集局+JSTワシントン事務所]