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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2022/10/07
- 抄訳記事公開日:
- 2022/12/08
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国家北極域戦略の改訂版の発表
- 本文:
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(2022年10月7日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)
400万人以上の人口と広大な自然資源、そしてユニークな生態系を有する北極域は、劇的な変化を遂げつつある。 気候変動がもたらすこの変化は、北極域の生活を脅かすと同時に、新たな経済的機会を生み出している。米国は北極域の国であり、特にこの変革期においては、この地域の管理と保護に責任を負っている。
米国は、平和で安定し、繁栄する、協力的な北極域の実現を目指しており、新北極域戦略では、そのビジョンを実現するための、今後10年間の米国のアジェンダを明確に提示している。本戦略は、2013年版を改訂したもので、気候危機に対してより緊急に対処し、環境を保全しつつ、北極域住民の生活を向上させるための持続可能な開発への投資を促すものである。また、ロシアによるウクライナ侵攻や中国による北極域での影響力拡大の試みによって激化した、この地域における戦略的競争の状況からも必要なものであり、米国がこの地域で効果的に競争し、緊張を管理できるようにするものである。
この変革期に我々のビジョンを実現するには、米国の国内外での指導力が必要であり、国内および国際問題の双方にまたがり、相互に補強し合う以下の4つの柱に沿って米国の利益を推進する。
①安全保障
北極における国益確保に必要な能力の強化により、米国本土と同盟国への脅威を抑止するとともに、安全保障に関して同盟国や友好国と共同歩調を取り、意図せぬエスカレーションのリスクを低減する。米国民と領土を守るために必要であれば、北極における米国のプレゼンスを行使する。
②気候変動と環境保護
米国政府は、アラスカの地域コミュニティや州政府と連携し、気候変動影響への耐久力を高めるとともに、地球規模の影響緩和努力の一環として北極域での排出量削減を行いつつ、北極域の科学的理解を深め、その生態系の保護を進める。
③持続可能な経済開発
インフラ投資、サービスへのアクセス改善、成長分野への支援を通じて、先住民コミュニティを含むアラスカの、持続可能な開発と生活の向上を図る。同盟国・友好国と協力し、高水準の投資と持続可能な開発を北極域全域に拡大する。
④国際協力とガバナンス
ロシアによるウクライナ侵攻によって北極域での協力が困難になっているが、北極評議会を含む北極域関連の協力機関を維持し、それらが北極域において増加する活動による影響を管理できるようにする。また、この地域における国際法、規則、規範、基準の維持に努める。この戦略は、北極域における新たな課題と機会への取り組みの骨格をなすものであり、取り組みは、上記の4つの柱すべてに適用される下記の5原則に沿って行われる。
①アラスカ先住民・地域コミュニティとの協議・調整・共同管理
アラスカ先住民、地域コミュニティ、企業、その他の組織と定期的、有意義かつしっかりとした協議・調整・共同管理を行い、先住民とその知識を公正に包摂する。
②同盟国・友好国との関係強化
カナダ、デンマーク(含むグリーンランド)、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンといった北極域の同盟国・友好国との関係を強化し、また、国際法、規則、規範、基準を支持する国々との北極域での協力も拡大する。
③長期的な投資計画
本戦略で必要となる投資の多くは、長いリードタイムを必要する。今後数十年間に起こる北極域における変化を予測し、それに備えて今から新たな投資の準備進めるという積極的な姿勢で取り組む。
④分野横断的連携と革新的アイデアの奨励
北極域における課題と機会は、各国政府だけでは解決できない。民間、学界、州、地方、部族関係者間の協力体制を強化し、課題解決に向けた革新的アイデアを奨励、活用する。
⑤政府全体の科学的根拠に基づいた取り組み
北極域は、単一の地域や政府機関の責任範囲を超えており、連邦省庁は連携して戦略実現に取り組む。また、科学根拠に基づいた意思決定を図り、アラスカ州、先住民、地域コミュニティ、企業などとの密接な協力関係の下で実施する。 [DW編集局]