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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)
- 元記事公開日:
- 2022/10/27
- 抄訳記事公開日:
- 2022/12/21
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イオントラップ型量子コンピュータ開発に2億800万ユーロの資金提供
- 本文:
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(2022年10月27日付、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)による標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツ航空宇宙センター(DLR)は、テーマ別クラスター、「イオントラップ型量子コンピュータ開発」において、総額2億800万ユーロとなる5つの契約を締結した。この契約は、DLRの量子コンピューティング・イニシアチブの一環である。BMWKは、このイニシアチブに合計7億4,000万ユーロを拠出している。このうち80%にあたる約6億ユーロは、さまざまなタイプの量子コンピュータの研究開発を行なう企業に提供され、残りは、DLR独自の研究に使われる。
アンナ・クリストマン(Anna Christmann)連邦政府デジタル経済・スタートアップ担当委員は、以下のように述べた:
「ドイツ企業への総額2億800万ユーロの契約は、量子コンピューティング研究にとって大きな後押しとなっている。これによって、キーテクノロジー拠点としてのドイツの立場が強化されるのである」
量子コンピューティングは、量子力学の法則を利用して演算処理を高速化し、今日のスーパーコンピュータでは何年もかかるような課題を解決できる可能性がある。様々な方式があるが、有望な方式の1つがイオントラップ型である。そこでは、荷電粒子(イオン)が情報担体として使用され、電磁場によって1か所に保持され、レーザーやマイクロ波などで操作される。DLRが委託したシステム開発は、4年をかけて数段階に分けて、実施される予定である。
クリストマン委員は、さらに以下のように述べた:
「将来、量子コンピュータを市場に投入し、ドイツとヨーロッパが量子コンピューティングの応用を主導できるようにするためには、強力な起業家エコシステムが必要である。この点において、DLRの量子コンピューティング・イニシアチブは、信頼できるアンカー的な顧客であり、イノベーションの推進者でもある」
[DW編集局]