[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究省
- 元記事公開日:
- 2023/01/09
- 抄訳記事公開日:
- 2023/01/13
-
アカデミア由来の起業支援に5億ユーロを追加
- 本文:
-
フランス政府は9日、アカデミア由来のスタートアップ支援策で、5億ユーロを追加すると発表した。気候変動、エネルギー、医療など様々な分野で、科学的な知見とそれを社会で実践的に生かすための体制強化を目指す。
フランスでは、2030年までにユニコーン企業を100社作り、ディープテックのスタートアップ企業を500社作るなどの目標をマクロン大統領がすでに発表し、22~26年に540億ユーロ投資する5か年投融資計画「フランス2030」の枠組みでこれらを推進中である。その結果、21年にはスタートアップ企業が250社でき、22年には国内のユニコーン企業の数が25社に達するなどの実績を出してきた。
その一方で、科学的発見に基づくイノベーションが国内で分散していてまとまっておらず、アカデミア由来のスタートアップ企業はむしろ退潮傾向にさえある、という問題がある。米国では5,100万米ドルの支出で成し遂げているアカデミア由来のスタートアップ支援を、フランスでは9,400万米ドルもかけてしまっているというデータもある。
このことから、政府は次の三つに特化した政策を新たに始めることとした。
▽大学にイノベーション拠点とする「大学イノベーション拠点」(PUI)を国内に25か所おき、研究の取り組みなどを共有する。ここに1億6,000万ユーロを投じ、社会実装の可能性を高める。
▽「i-Lab」や「フレンチテック起業支援金」などによる支援メニューでディープテック企業の育成を強化するため、6,500万ユーロを追加で投資する。
▽「優先研究プログラム」に由来する技術の社会実装を強化する。17件のプロジェクトに2億7,500万ユーロを投じる。
これら3施策、計5億ユーロのファンディングは、国立研究機構(ANR)とフランス公共投資銀行が担当し、「フランス2030」と「複数年研究計画」の両方の枠組みが使われる。学術研究と社会経済の結びつきを発展させるとともに、ディープテック企業支援に特化したファンドを創設し、1億ユーロを投じることも行う。
[DW編集局]