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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国航空宇宙局(NASA)
- 元記事公開日:
- 2022/11/30
- 抄訳記事公開日:
- 2023/01/24
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NASAがGeoCarbミッションを中止し、温室効果ガスのポートフォリオを拡大へ
NASA to Cancel GeoCarb Mission, Expands Greenhouse Gas Portfolio
- 本文:
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(2022年11月30日付、米国航空宇宙局(NASA)の標記発表の概要は以下のとおり)
NASAは11月28日、GeoCarb(Geostationary Carbon Observatory:静止炭素観測衛星)ミッションの開発を中止し、代わりに温室効果ガスの測定と観測のための代替オプションを追求する計画を実施することを発表した。
[編集局注:2018年に発足したGeoCarbミッションは、NASAの軌道上炭素観測衛星2号(Orbiting Carbon Observatory-2 :OCO-2)ミッションの成功を受けたもので、静止軌道を飛行する商業通信衛星に同様の観測センサーを搭載する計画であり、これによりアメリカ大陸全体の温室効果ガスを観測する予定であった。]
NASAがGeoCarbを検討した当時には利用できなかった、主要な温室効果ガスの測定を行うための新たなオプションが出現している。例えば、7月に国際宇宙ステーションに打ち上げられたNASAの最新機器、地球表面鉱物塵源調査(Earth Surface Mineral Dust Source Investigation:EMIT)はメタンを測定することができる。また、GeoCarbの現在のライフサイクルコストの見積もりは6億ドル以上と選定時の3倍以上になっており、コスト増や計画の遅延がNASAの地球科学ポートフォリオに悪影響を及ぼすことからミッション廃止の決定に至った。
NASAは、代わりに最初の地球システム探索(Earth System Explorers)ミッションとしての温室効果ガスミッションを優先し、国際的・商業的パートナーから温室効果ガスデータを入手し、軌道実験室に搭載された軌道上炭素観測衛星3号のミッションを延長し、また追加の飛行中観測を行うことによって、温室効果ガス観測を強化する計画である。さらに、10年以内に打ち上げが予定されているNASAの地球システム観測衛星(Earth System Observatory)は地球観測の次世代ミッションであり、地球を3Dで全体的に見ることで地球の変化が人類にとって何を意味するかをよりよく理解するために役立つものと見込まれている。
[DW編集局]