[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2022/12/13
抄訳記事公開日:
2023/01/20

EUイノベーション基金: 小規模クリーン技術プロジェクトに6,200万ユーロを投資

Innovation Fund: EU invests €62 million in small-scale clean tech projects

本文:

(2022年12月13日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

EU は、「イノベーション基金」の第4次助成により、17の小規模な革新的クリーン技術プロジェクトに6,200万ユーロ強を投資する。助成金は、エネルギー集約型産業、再生可能エネルギー、水素、エネルギー貯蔵の各分野において、ブレークスルー技術の市場導入を支援する。これにより、欧州のクリーンエネルギーへの移行と脱炭素化が、広い地域とさまざまな産業分野で加速される。採択されたプロジェクトは、ベルギー、フィンランド、フランス、イタリア、オランダ、ポーランド、スペイン、そして今回初めてとなるチェコ、キプロス、リトアニア、スロベニアを含む11のEU加盟国に及ぶ。対象となった分野は、再生可能水素の生産、風力エネルギー、ガラス製造などである。

17のプロジェクトはそれぞれ、排出権取引の収益から資金提供される250万から750万ユーロの助成を受ける。これらのプロジェクトは、化石燃料を使用する技術と比較して温室効果ガスの排出を削減する能力、および実装の可能性が十分にある一方で最先端の技術をはるかに上回る変革を起こす能力、に基づいて、第三者専門家によって評価、採択された。その他の選定基準としては、プロジェクトの規模拡大の可能性と費用対効果の要素も含まれている。

さらに、有望ではあるが助成の対象として十分に成熟していない少数のプロジェクトは、欧州投資銀行(EIB)によるプロジェクト開発支援の検討対象となる。これらは、2023年の第2四半期に発表される予定である。

■背景

「イノベーション基金」は、革新的な低炭素技術の実証と実用化に向けた世界最大の助成プログラムの1つである。「EU域内排出量取引制度(EU ETS) 」の排出枠オークション収益によって賄われており、現時点で、2030年までに約380億ユーロの収益が見込まれている。イノベーション基金は、企業や公的機関が、次世代の低炭素技術に今すぐ投資するための資金的インセンティブと、EU企業がグローバルな技術のリーダーになるという先行者利益を与えることを目的としている。

第2次公募で採択されたプロジェクトは、基金の実施機関である「欧州気候・インフラ・環境執行機関 (CINEA)」との個別助成契約の準備に入る。これらは2023年の第2四半期に最終決定される予定であり、欧州委員会は対応する助成金決定を採択し、助成金の配布を開始することができる。

11月3日、欧州委員会は大規模プロジェクトに関する第3次公募を開始した。REPowerEU計画で発表されたように、EUのロシア産化石燃料からの自立をさらに支援するために、利用助成枠は2倍の30億ユーロに増額され、産業と水素生産の電化、製造技術、中規模パイロットに関するテーマを取り上げる。

[DW編集局]