[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 会計検査院
- 元記事公開日:
- 2023/01/23
- 抄訳記事公開日:
- 2023/01/24
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【速報】INSERMは「立ち位置の模索が必要」 会計検査院が警鐘
- 本文:
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フランス会計検査院は23日、国立保健医学研究所(INSERM)の2015~21年の評価結果と10項目の改善案を発表し、「立ち位置と社会的役割の模索が必要だ」などと警鐘を鳴らした。
評価は「INSERMの会計と運営について」と題する報告書で公表。このなかで同院はまず、ライフサイエンス分野では様々な研究組織が縦割りの状態で乱立していることに言及し、それぞれの役割が明確になっておらず、それがINSERMの研究の価値向上を妨げていると指摘。管轄する高等教育・研究省(MESR)を「根本的な対策や指示を出せずにいた」と批判した。
そのうえでINSERMに、▽「現場や地域レベルで研究戦略を作るのをやめる」▽「UMR(複数の機関所属の人材が協働するために作る研究ユニット)の人的、経済的資源を集中させる」▽「国と共同管理しているUMRを、大学病院などと連携させる」▽「公益目的の補助金の使い道を明確にしてフォローアップできるようにする」――などの計10項目の改善案を提唱した。
INSERMは2021~25年の間、MESRに加えて保健省からも初めてファンディングを受けることが決まっているが、同院は「それでも資金調達に弱みがある」と不安視しており、破綻を免れるには「立ち位置と社会的の役割の模索」を続けることが欠かせないと断じた。
またINSERMが技術移転を目的に出資している子会社「INSERM Transfert」についても、同院は「民間には十分に理解されないエコシステムのなかにとどまっている」などと指摘した。
[DW編集局]