フランス政府は1月26日、国立計量試験所のAI（人工知能）セクターの元責任者だった、ギヨーム・アヴラン氏（Guillaume Avrin）を、「国家AI調整官」に指名すると発表した。政府の５か年投融資計画「フランス2030」に組み込まれて複数の省庁間にまたがっているAI関係のプログラムやプロジェクトを、専門家の観点から調整する任務を負う。

　アヴラン氏は技師養成校「サントラル・シュプレエック」出身の技術者で、ロボット工学と神経科学の博士号を持ち、研究機関や人材の認証機関「COFRAC」がAI分野で初めて認定した卓越技術者でもある。

　政府は「フランス2030」にもとづいて「第２期AI国家戦略」を2021年11月から推進中で、AI分野には22億ユーロ（18年に始めた第１期では15億ユーロ）の投資を行っている。この第２期戦略では技術自体だけでなく、新しい技術に適応する専門教育とそのための人材採用が課題となっており、アヴラン氏は、こうした問題にも取り組むことになる。

[DW編集局]