[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2022/12/28
抄訳記事公開日:
2023/02/13

マイノリティ受入大学のAI研究参画を目指すNSFの新プログラム

New program seeks to engage minority-serving institutions in artificial intelligence research

本文:

(2022年12月28日付、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の標記発表の概要は以下のとおり)

NSFは、国土安全保障省(Department of Homeland Security)の科学技術総局(Science and Technology Directorate)、農務省(Department of Agriculture)の国立食糧・農業研究所(National Institute of Food and Agriculture)、国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)、国防総省(Department of Defense)の研究技術担当次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering)と共同で、「能力開発とパートナーシップによるAIイノベーション拡大プログラム(Expanding AI Innovation through Capacity Building and Partnerships program:ExpandAI)」を立ち上げた。

ExpandAI は、NSFが主導する国立AI研究所(National AI Research Institutes)のエコシステム内の能力開発プロジェクトやパートナーシップを通じて、人工知能の研究、教育、人材育成へのマイノリティ受入大学の参画を大幅に拡大することを目指す。

ExpandAI は「国家AI研究開発戦略計画(National Artificial Intelligence Research and Development Strategic Plan)」の2019年版で定めた戦略に直接対応している。本計画では、「国家のAI研究開発人材のニーズをよりよく理解し、AI研究開発の進歩を加速させるために官民協力関係を拡大する」ための、AI研究開発への連邦の投資優先分野が定義されていた。

NSFは、国防以外のAI研究に対する最大の連邦資金提供者であり、AI の研究と教育に年間6億ドル以上を投資している。18のAI研究所の設立に3億6,000万ドル以上が投資され、基礎的なAI研究においてもより重要な分野により多くの助成金が提供されてきた。ExpandAI はAIに従事する研究者の幅をさらに広げることを目指している。

ExpandAIプログラムは、次の2つのトラックで構成されている。

■トラック1:ExpandAI能力開発パイロット(Capacity Building Pilots:CAP)
既存AIプログラムを持たないマイノリティ受入大学の能力開発に焦点を当てる。

■トラック2:ExpandAIパートナーシップ(PARTNER)
マイノリティ受入大学が、既存のAI研究・教育プログラムを拡大し、AI研究機関との新たな協力関係を構築、活用する機会を提供する。

マイノリティ受入大学は、将来のAIイノベーションに不可欠な人材と多様性の重要な供給源である。本プログラムは、アフリカ系アメリカ人/黒人、ヒスパニック系アメリカ人、アメリカ先住民、アラスカ先住民、ハワイ先住民、太平洋諸島民など、これまで歴史的にAIの恩恵を受けて来られなかったコミュニティに奉仕する、幅広いマイノリティ受入大学のための新たな資金提供の機会となる。

多様な人材がAI研究に参加することは、この分野を前進させ、より包括的な参加制度を通じて責任あるAI研究を行い、AIイノベーションの社会的成果をもたらすために不可欠である。本プログラムは、マイノリティ受入大学での新たなAIプログラム能力開発と、マイノリティ受入大学とAI研究機関とのパートナーシップ構築に向けた重要な投資となる。

[DW編集局]