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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/01/17
- 抄訳記事公開日:
- 2023/02/28
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欧州グリーンディールの主要政策、新欧州バウハウスの資金提供拡大
New European Bauhaus a major catalyst of the European Green Deal, funding to be scaled up further
- 本文:
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(2023年1月17日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は、新欧州バウハウス(NEB)の最初の進捗報告書を発表した。この取り組みの最初の2年間の成果と、NEBプロジェクトの最初の評価ツールである、「NEBコンパス(NEB Compass)」についてまとめたものである。NEBは、持続可能性、包摂性、美学という共通のビジョンに基づいて活動する、欧州全域の組織や市民からなる幅広いコミュニティを創り上げてきた。NEB賞、フェスティバル、NEBラボなど、主要なNEBの活動は、その目的を達成し、ボトムアップ型の国境を越えたネットワークを構築している。すでに割り当てられた1億ユーロを超えるEUの資金により、欧州全域で大小のNEBプロジェクトが進行中である。欧州委員会は、2023年から2024年にかけてHorizon Europeに特化した基金だけで、さらに1億600万ユーロの資金提供を行う予定である。
■ NEBの活動
NEBは、EU全加盟国およびその他のコミュニティによって、活気にあふれ成長するムーブメントに発展した。EU全域にまたがるネットワークから、地域の活動に至るまで、600を超える公式パートナー組織を擁するNEBは、何百万人もの市民に手を差し伸べている。この取り組みには、アートやデザイン、文化・創造的な産業、文化遺産機構から、教育者、科学者・イノベータ、企業、地方自治体、市民団体に至るまで、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が結集している。
NEBは発足以来、地方、地域、各国の関係者が独自のNEB活動を創出するよう奨励し、促進してきた。欧州委員会は、NEBに関する募集、受益者、コミュニティメンバーに関する情報への透明性のあるアクセスを提供するため、インタラクティブ・マップ形式の包括的データベースである 「NEBダッシュボード(NEB Dashboard)」を作成した。
NEBコミュニティは、ウクライナでも活動している。これには、緊急の住宅ソリューションや長期的な復興計画への寄付活動が含まれる。NEBラボは、3つのパイロットプロジェクト(緊急住宅、循環型社会、能力開発)を実行しており、ウクライナの地方自治体とその関係者(建築家、都市計画者、学生、建設会社など)の短期・長期的復興に関するニーズをリストアップした。パイロットプロジェクトの成果に基づいて、2023年の第1四半期には、ウクライナの人々、NEBのパートナー、国際的な復興専門家向けの一連の能力開発ツールが利用可能になる。
■ 実を結び始めたEUの大規模投資
さまざまなEUプログラムからの的を絞った資金提供により、NEBは現場で真の変革を実行し始めている。2022年には、最初の6件のNEB実証プロジェクト(大規模で再現性のある地方変革プロジェクト)が選ばれ、Horizon Europeの下で資金提供を受けて活動を開始した。2023年には、結束政策(Cohesion Policy)の欧州イノベーティブアクション(European Innovative Actions)の下で、次の10件が実施される。2021~2022年には、欧州全域の小規模プロジェクトに加えて、さまざまなMFF(複数年次財政枠組)プログラムの支援を受けたNEBプロジェクトに、1億ユーロ強が投資された。
■ プロジェクトの策定・評価の指針となる新たなNEBコンパス
欧州委員会は、プロジェクトがどの程度NEBの考え方を体現しているかを理解するのに役立つ評価ツール、「NEBコンパス」を発表した。これは、NEBの3つの価値である持続可能性、包摂性、美が特定の文脈で何を意味するか、そして、参加と学際性という作業原則とそれらをどのように統合し組み合わせることができるかを示している。
■ 今後の展望
欧州委員会は、結束政策における共同管理の下で、NEBをEUプログラムにおける主流とし、このイニシアチブへの資金を増やすことに引き続き取り組んでいく。2023~2024年のHorizon Europeの「ミッションとクラスター(Mission and Clusters)」の下で、1億600万ユーロ強がNEBの公募に割り当てられる。
[DW編集局]