[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2023/03/02
抄訳記事公開日:
2023/03/30

バイデン政権、国家サイバーセキュリティ戦略を発表

FACT SHEET: Biden-Harris Administration Announces National Cybersecurity Strategy

本文:

(2023年3月2日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、バイデン政権は、すべての米国人にとり安全で確実なデジタルエコシステムの利点を最大限発揮させるための「国家サイバーセキュリティ戦略(National Cybersecurity Strategy)」を発表した。今後10年間で、米国は、経済安全保障と繁栄、人権と基本的自由の尊重、民主主義と民主的体制への信頼、公平で多様な社会といった米国民の価値観を反映した形で目標を達成するためのツールとして、サイバー空間を再考することになるだろう。このビジョンを実現するには、サイバー空間における役割・責任・リソースの配分について、以下のように根本的な転換を図る必要がある。

1.サイバー空間の防護責任の再配分:サイバーセキュリティの負担を、個人・中小企業・地方自治体から切り離し、国民のリスク軽減のための最高の能力・最適な立場を備えた組織に移す

2.長期的な投資を促進するインセンティブの再調整:今日の緊急の脅威からの防護と、強靭性のある未来に向けた戦略的計画・投資との間におけるバランスを取る

<ビジョン>
本戦略は、国家安全保障、公共の安全、経済的繁栄を守るために国力のすべての手段を協調的に使用すべきとの認識に立っている。急速に進化する世界では、サイバー防護に対し、より意図的、より協調的、そして、より十分なリソースを備えたアプローチが求められる。米国は複雑な脅威環境に直面しており、国家および非国家のアクターが米国の利益を脅かす新たなキャンペーンを展開している。同時に、次世代技術が加速度的に成熟し、デジタル的相互依存性を高めながら、変革への新たな道筋を生み出している。本戦略は、これらの脅威に対処し、デジタルの未来の約束を守るための道筋を示しており、これを実施することにより、米国インフラの再構築、クリーンエネルギー分野の開発、そして米国の技術と製造基盤の再構築への投資が守られる。米国は、同盟国やパートナーと共に、以下を備えたデジタルエコシステムを構築する。

・防護力(Defensible):サイバー防御が圧倒的に簡単、安価、効果的なものとなる
・強靭性(Resilient):サイバー事故やエラーがあっても広範または持続的な影響がほとんどもたらされない
・価値観の整合性(Values-aligned):我々の最も大切な価値観がデジタル世界を形成し、またそれによってその価値観が強化される

バイデン政権は、国家安全保障戦略(National Security Strategy,)、大統領令14028(国家サイバーセキュリティの改善)、国家安全保障覚書5号(重要インフラ制御システムに対するサイバーセキュリティの改善)、M-22-09(連邦政府のゼロトラスト・サイバーセキュリティ原則への移行)、および国家安全保障覚書10号(脆弱な暗号システムによるリスクを軽減しつつ量子計算における米国の指導力を促進する)を含め、サイバー空間とデジタルエコシステムの安全を図る措置をすでに講じてきた。本戦略はこれらの取り組みを拡大し、サイバー空間がそれ自体の目的のためではなく米国の最高の願望を追求するためのツールとして存在することを認識するものである。

<アプローチ>
本戦略は、以下の5つの柱からなる:

1.重要インフラの防護(Defend Critical Infrastructure)
2.脅威アクターの破壊と除去(Disrupt and Dismantle Threat Actors)
3.安全保障と強靭性を促進する市場の形成(Shape Market Forces to Drive and Resilience)
4.強靭性のある未来への投資(Invest in a Resilient Future)
5.共通目標を追求するための国際的パートナーシップの構築(Forge International Partnerships to Pursue Shared Goals)

[DW編集局]